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2008 年06 月17 日

固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例

<平成20年1月学科基礎編問40>(正答4)

「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」(所得税法第58条)とは、個人が、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換したときに、譲渡がなかったものとする特例です。
特例を受けるための適用要件は次のとおりです。
@交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも固定資産であること。不動産業者などが販売のために所有している土地などの資産(棚卸資産)は、特例の対象になりません。
A交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも土地と土地、建物と建物のように互いに同じ種類の資産であること。この場合、借地権は土地の種類に含まれ、建物に附属する設備及び構築物は建物の種類に含まれます。
B交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること。
C交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと。
D交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
E交換により譲渡する資産の時価と取得する資産の時価との差額が、これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20%以内であること。
なお、この特例が受けられる場合でも、交換に伴って相手方から金銭などの交換差金を受け取ったときは、その交換差金が所得税の課税対象になります。

1 所得税基本通達によれば、「固定資産の交換があった場合において、交換当事者間において合意されたその資産の価額が交換をするに至った事情等に照らし合理的に算定されていると認められるものであるときは、その合意された価額が通常の取引価額と異なるときであっても、法第58条の規定の適用上、これらの資産の価額は当該当事者間において合意されたところによるものとする。」としています。本事例では、両者合意の上で等価とみなしており、時価差額はありませんので、特例の適用を受けることができます。

2 Aさんは、交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用しているため、特例の適用を受けることができます。

3 本事例では借地権と底地を交換していますが、借地権は土地の種類に含まれるため土地と土地の交換になり、互いに同じ種類の資産であることの要件は満たしています。
次に時価の差金ですが、180uの底地で借地権割合が60%の場合、借地権に直すと108uとなります。時価換算の差額は10%となるため、特例の適用を受けることができます。

4 Aさんの交換相手のBさんが当初所有していた建物および土地は1年以下の所有期間しかないため、特例の適用を受けることができません。

以上、正解はCです。


ようやくFP1級過去問解説も8割できました。
ここのところ残業が多く、平日は1日1問が精一杯です。

投稿者:ふみ
at 21 :48| FP1級過去問H20.1月学科午前 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

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