<< 前のエントリ | メイン | 次のエントリ >>
2008 年08 月29 日

MELLSCOPE/MELL

MELLSCOPE/MELL

GENEON ENTERTAINMENT GNCV-1005 [☆☆☆☆]

B0018B7J18 I've所属の最古参のヴォーカリスト、MELLのファーストアルバムです。
 アメリカ産ゴシックロックを彷彿とさせる気だるさとヘヴィさを合わせ持つダイナミックな1から、コケティッシュな表情とハードな表情の両面を見せていくヴォーカルが印象的なアルバムは、「BLACK LAGOON」の世界観を体現する2ではデジタルハードコアなスタイルで聴き手を圧倒し、デジタルビートが暗い熱気を孕むメロディと交錯する3は劇的なコーラスで感情を発露させるナンバー、ファルセットとパワーのあるコーラスのコントラストが印象的な和風テイスト漂うダークな4、「スカイガールズ」の主題歌の5はハードな英語パートとキャッチーでポップな日本語パートのコントラストが激しい何だか二重人格みたいなエッジの効いた曲。無機質なデジタルビートとエモーショナルな歌唱がエフェクトで変換されていくミステリアスな6、優しいパートが力強いドラマティックなパートを導くバラードの7は何だかガルネリウスが書きそうな曲。情念吐き出すダークな8は伸びやかなヴォーカルとメロディ回しが和風。アップテンポでシリアスなムードを作り出すドライヴするハードロックな9、浜崎あゆみっぽいバラードの10、初期の楽曲のリミックスの11はポップさとキャッチーさを合わせ持つ一番明るいナンバー、12はフランスのディープ・フォレストがリミックスした4の別バージョンで何か菅野よう子みたいになった。
 他のI've所属アーティストのアルバムとの差別化を図るためか、洋楽指向とダークさが強まる方向性のアルバムは、ヴォーカルとしての魅力を最大限に発揮しているかはさておき、I'veの中では独自性を生み出すことにはそれなりに成功していますが、他の歌姫が歌っても構わないような互換性の高い曲なども少なからず含まれているわけで、最古参の割には方向性に迷いが見えなくもないです、っつーか皆それなりに力量があるのでどんな曲でも何とかなるだろ!みたいな。もっと何かがおかしい歌詞とか独自の世界を突き詰めてみて欲しい一枚でした。
同系統アルバム
SAVIA/川田まみ
UZUMAKI/KOTOKO
UNBREAKABLE/FIREFLIGHT

投稿者:EOG
at 00 :06| 音楽 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

◆この記事へのトラックバックURL:

http://blog.nsk.ne.jp/util/tb.php?us_no=1062&bl_id=1062&et_id=69644

◆この記事へのコメント:

※必須