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2005 年09 月05 日

法学提出課題:4000字レポート 2

 別の点、やはり冤罪の点から死刑制度を考える事は重要である。死刑を執行してしまえば、もはや免罪が後から分かったとしても手遅れになる、という問題である。この問題を考える際に、まず、日本における裁判の仕組み、正当性について知る必要があると思われるので、先にその点を調べてみた。
 裁判において最終的な判決を出すのは無論裁判官であるのだが、その判決に至るまでの事実認定は裁判官の自由な心証に基づいて行われるようだ。そして一般に合理的な疑いを越える心証が形成された場合、その事実を認定できる、というものらしい。問題は、裁判官において「犯罪を犯していないと思っていないが、合理的な疑いを越える」といった微妙な状態も考えられ、しかもそれは実際に犯罪を犯していなくても有罪判決を出さなければならないという事だ。結論付けるならば、どれだけ合理的、論理的に裁判を進めようと、事実上、誤審を完全に無くすのは不可能である、という事である。
 確かに冤罪は恐ろしいものであるが、それを恐れていては刑罰全てが否定されてしまう可能性もある。しかしながら、死刑の刑罰としての特殊性を考えた場合、別格の扱いを行う必要がある、とも考えられる。ここで私は妥協案を考えてみた。中間刑を導入すればいいのだ。例えば明確な証拠が不十分だが、凶悪犯罪の犯人に限りなく近い存在である場合、有罪(死刑)と無罪の中間、例えば通常よりも長期の懲役、を選択すれば良いのだ。誤審で死刑を宣告されてしまった被告側が命を失うような事が無くなる一方、被害者側もとりあえずは無罪という結果に終わらなくて良かった、と満足できる。この解決法はどうだろうか。
 また、別のアプローチも考えてみようと思う。誤審を判断するような期間を設ければこの問題は解決されるはずである、というものだ。刑を宣告された者が生存していれば冤罪であったとしても、無論謝罪や賠償を行えば済むと言う話しではないだろうが、まだ救いようがあるはずである。さて、その方法だが、まず刑を宣告された者は一定期間の懲役刑を受け、その後死刑を執行される、というものだ。例えば10年の懲役後、死刑を執行する、といった具合に。こうすれば死刑囚側からしても、いつ死刑を執行されるのか、と怯える必要もなくなり、また、被害者側からの納得も得られるだろう。

投稿者:未定at 07 :55| 日記 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

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