2006 年04 月13 日
クレイの空 第1部
辛うじてそこに浮かんでいるかのように見えるクレイの空は一滴もの雨雫を渇いた地上に落とす事も無くただひたすら私の上を何時までも漂っているのだ。あれから幾多もの時の流れが過ぎ汚れきってしまったこの両手では仮に地上を濡らす恩恵が与えられようとも受け取る事が出来ない。私にはそれを受け取る資格が完全に欠如しているからだ。目が眩むような陽光がこの身体を通過するくらいならいっそクレイの雲の陰に潜み続け枯渇して行くのを待ってみようか。逡巡する中途半端な覚悟は私に焦燥感や危機感といった不安をもたらすだけで、そこから産まれたのは停滞、そして挫折だけだった。
投稿者:未定at 00 :31| 文学 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )