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2010 年02 月16 日

Q: 3年前に離婚調停をしましたが不成立でした。放置しましたが、また離婚したくなりました。もう一度調停をしなければなりませんか?

A: 訴訟を提起する前に調停を経なければならないという、「調停前置主義」との関係が問題となりますね。
 この点については、訴訟の前に、実質的に調停を経たといえるかどうか、争点について調停手続において調整がなされたかどうか、といった観点から、「調停前置主義」を充たしているか否かを考えていく必要があります。
 すなわち、以前の調停の不成立から3年も経過しているということになると、当事者を取り巻く種々の事情が変わっていることも多いでしょう。また、そもそも離婚原因として考えている内容が異なっている場合もあるでしょう。そんなときは、以前の調停手続においては、現在の争点について調整がなされていない、すなわち、調停を経たとはいえないという状況となっていることが考えられます。
 このような場合には、訴訟を提起したとしても、裁判所から調停手続を行うよう指示され、その帰趨が明らかとなるまでは訴訟を進行させずに、まずは調停にて話し合うこととなる可能性があります。
 調停前置主義を充たしているか否かは、微妙なケースも多いです。例えば、調停が不成立ではなくて取り下げになった場合、また、本件のように調停が不成立となってから長期間が経過した場合、あるいは、調停不成立後に訴訟を提起して請求棄却となった場合等、もう一度調停をするべきかどうか(裁判所において、もう一度調停をするよう求められるかどうか)については、一概には判断できないでしょう。
 そのような時は、訴訟を提起してみて、裁判所の判断に委ねてしまうというのも一案であると思われます。

投稿者:よしの たいら
at 16 :43| 離婚−手続の流れ | コメント(0 )

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