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2010 年12 月04 日

Q: 非常勤裁判官とは、どんな仕事なのですか?

A: 非常勤裁判官は、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所に所属して、それぞれ調停手続に携わっておりますが、ここでは、私が平成22年に就任しました家事調停官、すなわち家庭裁判所における非常勤裁判官について御説明させていただきます。
 家事調停官は、最高裁判所から任命されて、家事審判官(通常のいわゆる「裁判官」のことです)と同等の権限をもって調停手続を主宰する者のことを言います。家事審判法の定めにより、5年以上の職務経験を有する弁護士の中から任命されることになっています。
 普段は弁護士としての業務を行いつつ、原則として週に1日だけ裁判所で家事調停官の職務を行います。任期2年の非常勤の裁判所職員という身分です。それゆえに「非常勤裁判官」と呼ばれることがあるのですが、厳密にいうと「非常勤形態の裁判官」ということではありません。「非常勤の裁判所職員として、裁判官と同等の権限を行使する者」ということになります。
 具体的には、家事調停委員と共に調停委員会を組織し、調停主任として調停手続を主宰します。したがって、その職務の中立・公正が求められており、普段の弁護士としての業務とは一線を画すものですので、弁護士である私には非常に刺激的な職務であるとともに、責任も重大であります。
 家事調停官は、平成16年から家事審判法に基づき、その制度がスタートしたのですが、調停官には、裁判官と同じ法律専門家である反面、異なった角度からの実務経験を有している弁護士としての知識や経験を調停手続に活かすことが期待されています。裁判所としては、調停手続の主宰者を多様化させることにより、調停の紛争解決機能の充実強化を図り、増加する調停事件に対応していくことも企図しているようです。

投稿者:よしの たいら
at 17 :56| その他 | コメント(0 )

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