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2009 年07 月01 日

Q: ロサンゼルス出身の夫とロスで結婚後、ずっと日本で結婚生活をおくっています。離婚に合意していますが、離婚届を出せば良いですか?

A: お二人はカリフォルニア州法の方式で婚姻され、それを日本の官憲に対して報告されているかと思います。その結果、婚姻は日本法上も認められていることと思われます。
 さて、離婚するにあたり、カリフォルニア州法、日本法、あるいは他国法のいずれが適用されることとなるのか、すなわち準拠法の問題が生じます。お二人は、婚姻後、ずっと日本で結婚生活をおくられていますので、離婚に関する準拠法は日本法ということとなります。それゆえ、役所に離婚届を提出することによって協議離婚をすることができます。
 しかし、この協議離婚は、日本国内では有効であっても、カリフォルニア州においては受け容れられません。カリフォルニア州は裁判離婚が必須であり、協議離婚を認めないからです。したがって、日本における協議離婚後、これを米国に報告しても、カリフォルニア州法上の離婚は成立しないのです。
 そこで、お二人が協議離婚が可能な場合でも、裁判離婚をするべきでしょう。さて、裁判となると、お二人の離婚に関する裁判を日本が取り扱えるのか、すなわち国際裁判管轄の問題が生じます。本件においては、お二人の住所ともに日本ですから、どちらから訴訟提起をしたとしても、日本に管轄が認められ、日本の裁判所において離婚が成立するでしょう。
 以上のような手続をとることによって、カリフォルニア州法においても、日本国内における離婚手続が承認され、両国における離婚手続が無事完結することとなるでしょう。

投稿者:よしの たいら
at 15 :37| 離婚−国際離婚 | コメント(0 )

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