2010 年09 月16 日
たてもの探訪【閑谷学校】
ここは岡山県の備前市。閑かなる谷、閑谷(しずたに)という場所。山の中を走っていくと、ひらけた場所にお寺のような建築群が建っています。
現存する最古の庶民の学校【閑谷学校(しずたにがっこう)】です。
建てられたのは300年以上昔の1701年、江戸時代真っ只中。武士だけでなく庶民も含めた教育施設として、岡山藩主池田光政が重臣津田永忠に命じて建設したものです。
大自然の中の建物達はまるで自然と一体化したかのように静かで、そして鮮やかです。
これは国宝の講堂。池田光政曰く「長きにわたって皆が使用できるスーパースクールにしてくれい!」とのことで当時の最新鋭の技術がつぎ込まれた閑谷学校は、現在も勉強会などに使用されています。
存在感のある柱に磨きこまれた床板。「今日の授業マジつまんなくね」などとメールできそうもない緊張感があります。
とりわけ異彩をはなつのは周囲を巡る石塀です。ひとつひとつ丁寧に洗ってから積まれたため、雑草などがまったく生えません。人の背丈ほどの石塀は圧迫感がなく、ゆったりと境界を示している感じです。
兼六園とならび日本三名園のひとつとされる岡山の「後楽園」。この造営も津田永忠によるものです。学校施設や庭園、その他にも治水工事などを手がけた永忠はまさに江戸時代のスーパー建築家です。
投稿者:JC
at 19 :06| たてもの探訪