たてもの探訪【松下村塾】
今年もあとわずかとなりました。この拙いブログをご覧いただき誠にありがとうございます。今年最後のたてもの探訪は山口県の萩市にある松下村塾。先生は「今でしょ!」の人ではなく吉田松陰です。身分にかかわらずに通うことができ、この塾から後に日本を動かす多くの人々を輩出したことで知られています。
外観から想像がつく通り室内もコンパクトです。後に総理大臣となる伊藤博文や山縣有朋、幕末に活躍した高杉晋作などが通っていました。この小さな部屋から日本の歴史が大きく変わったと言っても過言ではないでしょう。
先生は何を教えていたのか非常に気になるところですが、勉強だけでなく登山や水泳など体を鍛えることや、生徒とじっくり話をするなどし誰に対しても優しく教えていたようです。教えていた期間は28歳で塾を主宰してから30歳で亡くなるまでのわずか2年弱。多くの逸材を輩出した教育とは一体どんな内容だったのでしょうか
「明治維新胎動之地」の石碑があり日本の歴史の大きな転換点が、この小さな塾であることに非常に感銘を受けました。大きさにかかわらず、豊かさとは何なのかということを突き詰めた住宅を手掛けていきたいと思います。 今年はこれにて、年始は6日からとなっております。来年もよろしくお願いいたします。
投稿者:JC
at 20 :09
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ネクサスワールド香椎
ここは福岡県福岡市。普通の住宅街の中になにやら周囲と雰囲気の違う一角を発見!
福岡は多国籍な土地柄なのだろうと納得していましたが。
ヤシの木の奥に大好きなロボットの様な、今にも変形しそうな建物。 残念ながら見ている間は変形は行われませんでした。
と思いきやこちらはまたまったく違う雰囲気。何が何だかわかりません。
これらの建物は国内外の6人の建築家がそれぞれの棟を設計した、 ネクサスワールド香椎(かしい)という分譲の集合住宅だそうです。
これはオランダ人建築家レム・コールハースが設計した建物ですが、
後ろに回るとなぜか恐竜?みたいなものがいくつも埋まっており、恐竜博物館みたいなことになっていました。
本当は福岡市博物館で金印を見る予定でした。
投稿者:JC
at 23 :05
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十日町にて
ここは新潟県の十日町市。豪雪地帯としても知られる地域です。
訪れたのは昭和13年に建てられた木造三階建ての「凌雲閣」。現役の温泉旅館です。
館内はノスタルジックなつくりになっていて、細かな細工がそこかしこに見受けられます。
この十日町は棚田がたくさんあり、棚田マップが作られているほどです。
その一つの星峠の棚田を見てきました。良い具合に霧がでていてとても
きれいな風景でした。
こちらは森の学校キョロロ。不思議な色の外壁は錆びた鉄板でできています。里山保全や自然に関する展示、研究を行っている施設だそうです。
十日町駅の近くにある「キナーレ」。現代美術館や温泉が入った複合施設です。建物中央にある池に帯状に布が伸びていましたが、アートの一環のようです。
十日町市では3年に一度「大地の芸術祭」が催され、町全体がアート会場に
なるとのことで、看板やお土産などにもアートっぽいものが多くありました。
見どころがいっぱいある十日町ですが、当初行くことが決まっていたのはぐるなびで調べたラーメン屋さんだけでした。
もっとちゃんと調べてから行けば良かったと思います。
投稿者:JC
at 21 :10
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能登ゆめてらす
最近、能登町の現場へ行く機会が多く、のと里山海道を利用しています。その途中の別所岳サービスエリアにあるのがこちらの「能登ゆめてらす」
スカイデッキと言われるだけあり、空中を通る通路は見晴しが良いです。ちなみにエレベーターも付いているので、体力がない日はそちらを利用します。
一番上に上がると展望台になっていて、七尾湾が見渡せます。
昨日は天気が良く、ツインブリッジや能登島大橋はもちろん遠くには立山連峰が見えました。
能登へ行くと様々なところに素敵な風景があります。行きや帰り道で休憩がてら立ち寄ってしまうと、予定の帰社時刻を大幅に越えることがあるので最近は自粛しています。
今度は時国家に行く予定です。
投稿者:JC
at 12 :08
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たてもの探訪【竹田城跡】
ここは兵庫県の朝来市(あさごし)。ここに日本のマチュピチュがあるとのことで、居てもたってもいられず早起きして向かいました。目的地は「竹田城跡」、戦国時代の城跡です。
駐車場の看板には「竹田城跡はパワースポットです」の文字が。
期待が高まります。
「ゴミなど捨てるとよくありません」
確かにそう思います。
駐車場から坂道をしばらく上っていくと、石垣が見えてきました。自然石を使った隙間の多い石垣ですが、水はけが良く崩れにくいとのことで400年以上にわたってその姿をとどめています。
まわりは切立った崖になっており、空に浮かんでいるかのような姿です。
夕暮れ時で時間が遅かったのか誰もいません。一人で佇んでいるといつの時代にいるのかわからなくなるような不思議な感覚になります。さすがパワースポット。
遥か下の街並みを眺めながら哀愁にひたっていると、高速道路を走る車が目に入りました。
本日中に金沢へ帰るという現実に引き戻されます。
往復600kmの道のりによって日本のマチュピチュで蓄えたパワーはあっけなく使い果たされました。
投稿者:JC
at 12 :46
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たてもの探訪【地球のたまご】
ここは静岡県の浜松市。太陽熱を利用するシステムのOMソーラー株式会社様の社屋を見せていただきました。「地球のたまご」と名付けられたこの建物には、年間約1500人の方が見学に訪れるそうです。
中に入ると国産材をはじめとする自然素材を使い、自然の地形に沿って作られていました。採光、通風、日射遮蔽など自然の力を利用し極力機械に頼らない設計です。
広い敷地の中にはこちらの住宅型実験棟もあります。
国産杉の集成材を使った木造3階建ての実験棟。周囲が開けており、浜名湖まで見渡すことができ、いろいろな計測をしているそうです。
またこちらの敷地内ではドングリの木など様々な植物を植え、施設で使った水や雨水を浄化して浜名湖に流すという環境と共生する方法がとられています。
私も以前、一人でドングリを植えていましたが、最近はほったらかしになっています。
春になったらプランターから出してやらねばと思いました。
投稿者:JC
at 17 :57
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たてもの探訪【芹沢けい介美術館】
ここは静岡県静岡市。田んぼの中に建っているのは新型のエコハウスかと思いきや、弥生時代の集落を再現した登呂遺跡でした。竪穴式住居や高床式倉庫など大昔の生活が垣間見られます。
ほのぼのとした登呂遺跡に隣接して建っている、このごつい感じの建物。静岡県出身の染色家、芹沢?介(せりざわけいすけ)の作品等を展示している【芹沢けい介美術館】、設計したのは白井晟一(しらいせいいち)先生です。
洞窟の中に入ったようなほの暗い館内は木や石などの自然素材がふんだんに使ってあります。
暗い部屋ばかりだったので、外を眺める部屋に入るとちょっとほっとします。
登呂遺跡の軽快な感じとは違い、重厚で緊張感がただようような感じが印象的でした。
投稿者:JC
at 21 :23
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たてもの探訪【日光田母沢御用邸】
ここは栃木県の日光市。猿軍団で有名な日光ですが、今回はお猿ではなく建物を見に行きました。この【田母沢御用邸】(たもざわごようてい)は皇室の静養地として、明治32年(1899年)に建てられた建物です。
きちんと手入れされており100年経っているとは思えないきれいさです。こちらの御玉突所は大正時代の建築様式になっています。
木曽のヒノキをふんだんに使った高級仕様。材料だけでなく細かい部分にも職人の技が光っています。
紀州藩の江戸屋敷を移築したというこちらの御学問所。江戸時代の建築様式です。
様々な時代の建築様式が見られる貴重な建物です。
しかし建物の面積1,350坪、部屋数106室という途方もない大きさのため、途中で迷子にならないように気を付けなければなりません。薄暗く長い廊下を歩いていると背後が気になり、小走りになってしまったのは私だけではないでしょう。
投稿者:JC
at 13 :16
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たてもの探訪【国会議事堂】
テレビで何度もみかけたことのある建物【国会議事堂】です。1936年に竣工したこの建物は別名「石の博物館」と言われるほど、様々な種類の石材をつかってあります。
外装に使われているのは3種類の花崗岩。
内部には大理石だけでも33種類が使われていますがほとんどが撮影禁止で、こちらの中央広間は撮影できました。吹き抜けの高さは32m。窓や天井はステンドグラスになっていて、外国にでもきたかのような雰囲気です。テレビでみたことがなかったので、こんな場所があるのかと意外に思いました。
今回、訪れた時は参議院の見学ができず、衆議院の建物のみの見学だったのでものすごい人の数でした。スカイツリーよりよっぽど待ち時間が長かったです。社会見学であろう小学生たちも沢山おり、政治への関心の高さを物語っていました。
投稿者:JC
at 21 :08
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たてもの探訪【高山陣屋】
ここは岐阜県の高山市。江戸時代の役所【高山陣屋】です。昔はお代官が勤務しており、昭和44年までは岐阜県の事務所として使われていたそうなので驚きです。
1816年から残る玄関を入ると、正面の床の間の壁が波のような模様になっています。これは青海波(せいがいは)といって縁起の良い文様です。
庭には木がたくさん植えてあり、樹木好きにはたまらない空間です。
なんといっても、江戸時代から残るこの蔵が見どころ。土壁の力強さに加えシンプルデザインでカッコイイです。
床下に開けられた換気口ですが、大きな石のフタが付いていて非常時?には閉められるようになっています。弊社の外断熱工法の住宅の床下換気口はもう少し楽に閉めらます。
高山は金沢から高速に乗ると2時間足らずで行けるので、ちょっとした気分転換にはちょうどいいと思い気づくと今年は3回訪れています。気分転換しすぎです。
投稿者:JC
at 21 :38
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たてもの探訪【東雲キャナルコート】
ここは東京都江東区東雲(しののめ)にある集合住宅【東雲キャナルコート】、6つの棟から成りそれぞれ別の建築家が設計しています。6つの総戸数を合わせると2,000戸を超える規模です。
ところどころに植栽がしてあり、年月が経つと森になりそうな勢いです。
こちらではなにやら耕していました。コンクリートに囲まれていますが、随所に自然をつくってあり調和しています。
帰りに乗った「ゆりかもめ」。なぜか運転手がいなかったので、一番前の席に座ることができました。
このように景色を堪能していたのも束の間、停車する駅から続々と夏休みモードのちびっこがわらわらと乗ってきてプレッシャーを与えてくるので、とうとう席を譲る羽目になりました。
今回はエコハウスの研修で訪れたのですが、当の研修の写真を撮るのを忘れてアリバイが実証できない事態になっています。
投稿者:JC
at 00 :04
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たてもの探訪【桂離宮】
ここは京都市西京区にある【桂離宮】、宮家の別荘として1615年頃から造営が始められ50年間かけて今のような形になったようです。敷地は69,000m2ほど、宅地にすると300区画ほどの町になりそうと考えるのはちょっと下世話な話です。
敷地内には様々な建物があり、なかなか面白いです。ドイツ人の建築家ブルーノ・タウトが「桂離宮マジやばい!!」と触れ回ったとかで世界的にも知られた建築です。
増築を重ねて造られた御殿と呼ばれる建物。近くを流れる桂川の氾濫に備えて高床式になっているそうです。障子と白い壁、板戸や柱とのコントラストが美しい建物です。
置いてある石もなんだかカッコ良いです。ただし石を踏み外すと、案内の人に注意されるのでバランス感覚が必要です。
外の道路との境に立てられた垣根。生きた竹を織り込んで作られた「桂垣」と呼ばれる桂離宮独特の垣根だそうですが、時々車に突っ込まれるらしいです。
1時間ほどかけて敷地内を見せていただきましたが、築山を登ったり石橋を渡ったりと優雅なようで、意外と体力を使うツアーでした。
広い所を見学する時は、体力をつけてからの方が良いと確信した一日でした。
投稿者:JC
at 19 :24
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たてもの探訪【江川家住宅】
ここは静岡県の伊豆の国市。このお代官が出てきそうな屋敷は【江川家住宅】と言い、野球の人ではなく江戸時代に伊豆の韮山代官であった江川家の屋敷です。建てられたのは1600年頃だそうですが、使っている部材の中には室町時代のものもあるそうです。改修により茅葺きだった屋根は銅版葺きに変更されています。
ここは土間ですが、広さは50坪ほど。ここだけで家が建つ広さです。床は三和土(たたき)という昔のコンクリみたいなもので固めれられています。
土間から見上げると構造があらわしになった大空間。一番高いところでなんと12m、3階建てのビルほどの高さです。
土間に展示してあるかまどと大砲。ちなみにこちらの屋敷で1842年4月12日にパンが作られたのが日本人によるパンの発祥となっているようで、4月12日はパンの日なんだそうです。
大砲は複製ですが、車輪は黒船来航の折りにペリーからもらったものだとか。
当時の当主だった江川英龍(えがわひでたつ)はかなり革新的な人物だったようです。
近くには幕末に作られた反射炉と呼ばれる大砲を作る工場があり、幕府の指示で江川英龍が責任者となり造ったものです。
幕末には外国の侵略を防ぐため東京湾に大砲をおくための人工島「台場」の建設がありました。台場の設計から完成までの総指揮をとったのが江川英龍で、こちらの反射炉で作った大砲を並べたようです。
現在は台場の多くが取り壊されていますが、「お台場」という地名として今も残っています。
投稿者:JC
at 13 :10
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たてもの探訪【秋野不矩美術館】
とある小高い丘の上に砦のような建物を発見。とうとうタイムスリップした訳ではありません。
ここは静岡県浜松市。浜松市出身の秋野不矩画伯の作品を展示する【秋野不矩美術館】(あきのふくびじゅつかん)で設計は藤森照信先生。
長野にある神長官守矢資料館を見た秋野画伯が、藤森先生に自ら依頼したというこの建物。
迫力のある素材感に圧倒されます。
天窓からの光が落ちてくる吹き抜けには梁が飛び交っていて、不思議な空間となっています。
靴を脱いで鑑賞する美術館です。床材は地元の天竜杉、壁はわらを混ぜナチュラルな素材感です。
道を歩いていると、ふと看板が立っていました。
浜松は徳川家康にゆかりのある土地なので、このようなものがよくあるのでしょうか?
ちなみに家康の書いた幹には
「なにごともほどほどに」「慈悲深く」「正直に」
細川三斎(忠興)の書いた枝は
「早起き」「稼ぎ」「決断力がある」「金を使わない」「がまん強い」「からだを大切に」「油断がない」「家族仲良く」
とのことです。
30分早く起きるようにしました。
投稿者:JC
at 14 :25
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たてもの探訪【LCCM住宅デモンストレーション棟】
ここは茨城県のつくば市にある独立行政法人「建築研究所」。建築関連の研究開発を行っている施設です。
今回の目的は2011年に完成した【LCCM住宅デモンストレーション棟】の見学です。LCCMとはライフサイクルカーボンマイナスの略で、建物を建築した時や運用している時のCO2(カーボン)を削減し、太陽光発電によって最終的には収支をマイナスにしようという究極のエコハウスです。
キーワードは「衣替えする住宅」
究極のエコハウスと言えば機械でコントロールするようなイメージでしたが、意外と手動で切り替えをするような部分が多く見受けられました。これは南側の縁側空間にある夏の日差しを制御するためのルーバー。
この縁側空間は、開閉することで外部と内部の橋渡しするゾーンとなります。夏場は開放するとともに床下からの通風による冷却効果をもたらし、冬場は閉じてタイル面に蓄熱することで暖かさをもらたします。
室内から通風塔を見上げたところ。2ヶ所設けられた通風塔は夏場の熱を排出します。この窓の開閉も手動で行います。
南側から入った風がこの通風塔から抜けることで室内に涼をもたらし、無風時でも温度差によって自然換気が促進されます。
このように自然のエネルギーを取り込み夏冬で切り替えすることで冷暖房の負荷を減らしながら、建築時のCO2をマイナスへともっていこうという試みです。また住む人が感性に応じて自分で切り替えすることで省エネにつながることにもなります。
この建物、設備の価格だけでもかなりのものでしたので、すぐに実用化されるというものではないかもしれません。しかし、考え方はこれからの住宅設計に求められるようになると思います。
最近、古い建物ばかり見ていたので竪穴式住居なんかを提案しかねないと不安がられていたので、たまには新しい建物を見ておこうと思います。
投稿者:JC
at 18 :56
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たてもの探訪【尚古集成館】
鹿児島市の北部にある石造りの洋式建築【尚古集成館】(しょうこしゅうせいかん)。幕末の1865年に建てられた日本で最も古い洋式石造建築で、機械工場として作られたこの建物はストーンホームと呼ばれていたそうです。
当時の日本の建物は柱と梁で成り立っており開口部が広かったで、このように穴を開けたような窓はとても珍しかったことでしょう。
凝灰岩を積み重ねた外壁は厚みがあり、重厚感があります。
こちらは尚古集成館の近くにある反射炉。大砲を作る施設があった場所です。これらの一連の施設は薩摩藩の集成館事業という西洋化政策の一環として作られました。
この事業を推進したのは薩摩藩主「島津斉彬」(しまづなりあきら)。若い頃の西郷隆盛等を登用したことでも知られており、明治維新にも大きな影響を与えています。
はじめて鹿児島に行きましたが、桜島はかなりの頻度で煙をあげていました。
天気予報に風向きが出ていたのが驚きでした。ちなみに鹿児島では西郷隆盛のことを「せごどん」と呼ぶそうです。
投稿者:JC
at 21 :15
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たてもの探訪【帝国ホテル中央玄関】
愛知県犬山市にある明治村。名古屋での会議にかこつけて密かに寄り道しました。
移築されている【帝国ホテル中央玄関】。三大巨匠の一人、フランク・ロイド・ライトの設計です。
柱に使われているスクラッチ状のレンガ。この建物のために愛知県の常滑に専用のレンガ工場を作り生産したものが始まりだそうです。このスクラッチ状のレンガはしいのき迎賓館でも使われています。
暗さの中に光が差し込んでくる空間。パーツのひとつひとつが作りこまれていて、建物というよりも古代遺跡にいるような印象を受けました。
水平、垂直のラインを多用したデザイン。ライトの設計は日本の建築要素も取り入れていると言われています。
ものすごく高い吹き抜けとは対照的に、人が集まるような場所は天井高を抑えてあります。
平日の午前中ということもあってか園内は人がまばらで、親切な解説のおじさんが「30分ほど園内を案内しますよ」と誘ってくれましたが、午後からの会議に遅れるわけにはいかなかったので、涙を呑んで辞退しました。また訪れたいと思います。
投稿者:JC
at 21 :01
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たてもの探訪【高桐院】
ここは京都の大徳寺。たくさんのお寺が集まっている所です。外国の方がさっそうとお寺に入っていくので、とりあえず後について入ってみたのが【高桐院】(こうとういん)。
創立したのは戦国武将の細川忠興(ほそかわただおき)。この人は千利休の弟子の一人であり、最先端のデザイナーでもあった人です。
中に入ると竹林に面した縁側があり、まことに風情のある風景です。
茶室、松向軒(しょうこうけん)。二畳ちょっとの空間(二畳台目)で膝を突き合わせてお茶をするスタイルなのでしょう。奥にある庭に面した壁のにじり口という入口は、千利休が考えたといわれています。
書院「意北軒」(いほくけん)。千利休の邸宅から移築したものと伝えられる部屋です。
歴史上の人物が訪れたかもしれません。
最近、ありがたいことに当ブログをご覧になっている方々がおられるとのことですが、
「仕事さぼって、木植えて、ドングリ集める人が書いている」というイメージがあるようです。
今年はブナとトチを集めようと思っています。
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投稿者:JC
at 20 :56
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たてもの探訪【コールハウス】
年末・年始は12/29〜1/4までお休みとさせていただきます。よろしくお願いします。
今年最後のたてもの探訪は栃木県宇都宮市の住宅街の中にあるこの黒い建物。角みたいのが屋根を突き抜けて出ています。
近づいてみると、焼き杉の外壁やハシゴ、木の柱などがあり不思議な感じです。
藤森照信先生の設計による「コールハウス」。東京ガスのSUMIKA PROJECTで建てられた建物のひとつです。
ユニークでありながらどこか懐かしい感じがするのは私だけでしょうか?
となりのトトロにでも出くわしそうな雰囲気です。
今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
投稿者:JC
at 14 :44
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たてもの探訪【群馬音楽センター】
ここは群馬県高崎市。この妙にとげとげした建物。1961年完成の高崎のランドマーク的建築【群馬音楽センター】で設計はアントニン・レーモンド。コンクリート折板構造という複雑な構造形式です。
二階へ上がるとものスゴイ吹き抜け。右手の壁面のデザインはレーモンド夫妻によるものです。
客席へ入ると、コンクリート構造の間から差し込む光が連続している綺麗な光景です。
隣のビルからこの建物を見ると、カブトガニのように見えてしょうがない。
この群馬音楽センターは「高崎にコンサートホールを」という市民の熱望と寄付によって建てられたもので、「理想の公共建築」と評されたこともあるそうです。
今年はなぜかアントニン・レーモンドの追っかけみたいなことになっていたので、来年は誰の追っかけをしようか模索中です。最近、職人さんに質問しようと近寄ると「また、何か見てきたんか」と恐れおののくのでほどほどにしておかねばと思います。
投稿者:JC
at 20 :42
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