2007 年11 月11 日
学生たちのプラネタリウム
今日は出張プラネタリウム。午前中環境保全課のイベントで千寿閣へ。親子30人ほどがネイチャーゲームで外へ木の葉なんかを探しに行き、その後半分が自然工作、半分がプラネタリウムを見て、30分して入れ替え。職員や施設に来ていたお年寄りにも何人かはいってもらった。午後からは粟崎の町会のお祭りでプラネタリウム。ダブルヘッダーである。こんな日も一年には何回かある。2年程前の七夕の日、午前・午後・夜、別の場所で投影したこともある。ドームの設営はすぐできるので、移動時間さえ確保できれば(近ければ)トリプルヘッダーでも楽勝なのだ。
さて、各地の学生の天文サークルでは伝統的に学園祭の出し物にプラネタリウムをつくってきました。天文サークルには天体写真とプラネタリウムくらいしか出し物がないからです。ヒゲキタもそうでした。当時、参考になるのは地人書館の「天文の工作百科」という本と他校のサークルの学園祭のプラネタリウムだけでした。そういえばこのあいだある大学の天文サークルのプラネタリウム班だという人に会ったのですが、ヒゲキタが学生の頃、彼らはまだ生まれていなかったのですから、月日の流れは速いものです。作ったのはもちろんピンホール式。アルミボウルやアクリル半球に星座を描き移し、ドリルで穴を開ける方式です。北陸でも金沢大や北陸大、経済大、工大、富山大、福井大などの天文サークルでプラネタリウムがつくられていました。いまでも残っているのは金沢工大と福井大くらいか。
半球をふたつ合わせてひとつの球にしたのが一球式で電球は一個。半球ふたつをを南天と北天で分けて使うのが二半球式、電球は二個。学生が作るプラネタリウムは二半球式が多いようです。南極の星も投影できることと、赤道の星の合わせ目の処理の関係と、後は好みの問題でしょうか。他方、一球式のいい点は構造が簡単で作りやすく、メンテしやすくこわれにくいこと、悪い点は極軸が付くため南極付近の星は投影できないことです。
投影球の材質はアルミボウル・アクリル半球・塩ビなどがよく使われます。材料を探しに工具・材料店や渋谷の東急ハンズなんかをよくみてまわりました。ちなみにヒゲキタの投影機はアルミの一球式です。アクリルは厚みがあるため中心にむかって正確に穴を開けないと光がうまく投影できないことになります。以下アルミの一球式について書きます。(これしか作ったことがないので)
アルミボウルは金物屋にあるアルマイトの台所用のものです。大きさは20センチ〜30センチ。縁はペンチで広げて伸ばしておきます。北天のボウルは内側から叩いて丸くして球に近づけておきます。南天用のボウルには極軸の穴を開けてパイプを通し、フランジ金具などで回転するようにしておきます。ボウルとボウルはボルトなどで固定してしまうとメンテ(電球交換など)がしにくいので、ダブルクリップなどで留めておきます。パイプに電線を通して球の中心に電球をとりつければ恒星投影球の完成。次は星をプロットして何千個もの穴を開けるという気の遠くなるような作業にかかるわけです。
投稿者:ヒゲキタ
at 22 :19
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