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2010 年06 月28 日

昨日の話

小さな地方都市に住んでいる。 小学校や保育園での仕事が多いので、たまに昔の友達が親として来ていたり、役員かなにかでよんでもらったりする。 子供達も大きくなって、中学高校に行くようになると、そんなことも少なくなってくるのだが。 A は今のかみさんの前に何ヶ月か付き合っていた女の子だ。 別れてしばらくした後、交通事故で大けがをしたと人づてに聞いていた。 この仕事をし始めたころ、イベントで A に会った。プラネタリウムを見にきてくれたらしい。 だが、A は車いすに乗っていた。 ドームは車いすが通れるような構造になっていなかったので A は見ることができなかった。 ごめんな。車いすでも入れるように改良しておくよ、とオレは A に言った。 オレはドームの入り口を作り直し、車いすでも入れるようにした。 バリアフリー化したわけだ。 障害者施設で車いす8台くらい入れて投映したこともある。 A から結婚しました、というハガキがきた。 その後、子どもの写真も送られてきた。 A に次に会ったのは5年くらい前。やはりプラネタリウムを見にきてくれた。 A は車いすのままだった。脊髄損傷なので治らないらしい。 プラネタリウムのほうも改造して星が多くなっていた。 今度は見せてあげることができた。 昨日は金沢市内の小学校の親子活動で投映してきた。 終わって片付けを始めたころ、3、4年生くらいの男の子が近寄ってきて話しかけてきた。 「A を知ってますか」  顔が A にそっくりだった。 「知っているよ。車いすのお母さんだ。君は息子だ」 お父さんと来ていたようだ。A はいなかったが元気でいるのかどうか聞き忘れた。

投稿者:ヒゲキタ
at 23 :56| 日記 | コメント(0 )

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