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2014 年03 月20 日

白影ドーム3Dシステムによる世界制覇計画

白影ドーム3Dシステムによる世界制覇計画


●プラネタリウムの3D化は遅れている
最近のハリウッド映画の大作はほとんど3Dで作られている。ハリーポッター、トランスフォーマー、スタートレック、アベンジャーズ。
プラネタリウムではデジタル化は進んでいて、全天映画も投映できるところは多いが、3D化は遅れている。これはドームには映画とは違ったシステムが必要になるから。映画と3D映画が違うように、3D映画とドーム3D映像も全然迫力が違う。あの、映像の中に入る没入感はドーム3Dならではなのだ。


●ドームに使える方式が限られる
デジタルプラネタリウムは増えているけど、今、日本でドーム3Dできるプラネタリウムというのは、4館ぐらいしかない。(科学未来館、科学技術館、国立天文台、小松科学館)しかも全部周波数分割のインフィテック方式。インフィテックはメガネが高いうえに視界がせまい。全天映像をふしあなからのぞいてるみたいな感じなのだ。さらに投映機が2組ずつ必要。
3D映画に一番使われている偏光式にするにはスクリーンを金属反射のシルバースクリーンにしなくてはならない。シネコンは1つのスクリーンと映写機を導入すればいいけど、プラネタリウム館の場合はドームを作り換えなくてはならない。また偏光メガネ方式はドームにはうまく使えない。家庭用3Dテレビが普及したら、液晶シャッターメガネを使って時分割した映像でドーム3Dができるはずだが。現状3Dテレビは普及していない。結局プラネタリウムの3D化はお金がかかるのでどこもやりたがらない。


●今こそアナグリフはどうか
そこでいまこそアナグリフ(赤青メガネ)の出番ではないか。
アナグリフドーム映像といえば、85年のつくば科学万博の富士通パビリオン「ユニバース」。スーパーコンピュータと並列マイコンで作られた3Dドーム映像は一番人気だった。当時のお金で8億円、今だと数十億円か。
でも実際に今、現在同じものを作ったらいくらかかるのか。意外に安く作れるのではないだろうか。CGは映画やCMを作るためにとんでもなく進化している。白黒のワイヤーフレームかポリゴン、表面テクスチャもなし、CGスタジオの動作チェック用ぐらいの画像データですみそう。うまい人ならパソコンでも作れるのではないだろうか。(いや、私は無理ですが)

●4D2U もアナグリフで
アナグリフはカラー映像には向いていないし、長時間メガネをかけていると、左右で色のバランスが違ってきたりするマイナス面があるが、製作コストがとても安くなる、投映機やスクリーンを替えなくてもそのまま使える、メガネも安い。ドーム3D導入にはいいのではないでだろうか。4D2U もアナグリフでやれば、デジタルプラネタリウムをやっているところなら、どこでもドーム投影ができるはず。(もうやられているのかもしれませんが)
国立天文台は周波数分割でやってるけど、星を投映するのにはカラーでも白黒でもそんなに違いはないのでアナグリフでもいいのではと思う。メディアグローブなど、小さなドームやプロジェクタでも3D投映ができる。


●影絵ドーム3Dどうでしょう
ヒゲキタのドーム3D影絵をCGで3Dドームマスターに誰か作ってくれないかなあ、というのがこの企画。
ドーム3D影絵はもともと「ユニバース」のアナログ・ローテク版として考えたもので、アイデアの元はエクスプロラトリアムの展示。
そのまた元は1920年代のハモンドのシャドウグラフ。このハモンドさんは機械式シャッターの3D映画も発明している。
ドーム3D影絵は人力3Dとも言われるくらいで、超ローテク、チープであることを逆手にとった演出だ。
CGで作る事によって、人力では出来ない演出が可能で、より面白くできるはず。
まず、模型を無くせる。支持棒もなくせる、それらの影や本人の影も無くせる。
動きも自由、数もたくさん、星や背景も出せる。ゆがみのない3D。
ヒゲキタ3D影絵ではステレオベースを極端に小さくすることによって巨大感、遠近感をだしているが、それによって、ロケットなど細長いものが、伸びて見えたり、折れ曲がったり、傾いたりして見えたりする場合もある。また、大きく見せるには光源に近づかなければならない。あと、光源を横に並べてるだけなので、3Dになるのは実は正面から上方にかけての方向だけで、左右横方向には視差のずれが縦についてしまう。CGで作ることでこれらを改善できるはず。


●安く作れるかもしれない
デジタルプラネタリウムのドームマスターはもちろん高いわけだけど、影映像にすることで、安くできるはず。データが圧倒的に小さいので、パソコンなどでも実は作れるのではないか。または学生やスタジオの新人とかの習作、研修用とか。ミタカドーム用とか。
自分は3DCG作れないので、その辺はよくわからないけど、作れる人ならそれほど難しくはないのでは。解像度もCG映画のチェック用くらいのクオリティで大丈夫なはず。いまならオキュラスで見え具合は確認できるしドーム再生もどこのデジタルプラネタリウムでもできる。「投影法」というぐらいだから実はCGのレイトレーシングなんかは反射屈折とか複雑なところを除けば基本的に影絵と同じ原理と同じだよね。豆電球はどんなスーパーコンピュータより速くリアルタイム(光速)で影像を描き出す。コンピュータが豆電球に負けるわけないでしょ。宇宙船のCAD図面をいれたらすぐに映像として見れないのかな。





●白影システム
影絵3Dをもう一回ひねってたとえば影を反転させて白い影にする。
【東方 影絵】Bad Apple!! PV【3Dバージョン】ここに出てくる白黒反転の影CG。こういうので作ったらどうだろうか。
反転した影というのは普通はありえないのでCGで作るしかない。赤影、青影に対して白影と名付けよう。白影システム。
星を影ではなく、光で表すことができる。土星など、惑星はいいのだが、たとえば銀河をあらわす場合、影の星の集団では、台風の渦巻きにしか見えない。これをCGで反転して、星をふつうにプラネタリウムやミタカのように映すだけで宇宙のリアリティは大違いになる。
白影と言っても、まあ普通のアナグリフと作り方は同じ。表面テクスチャとか、色とかいらないので、データは少なくてすむ。CADデータそのまんまのワイヤーフレームでもいい。隠面処理も全然いらない。右左のカメラ視点を作って、アマテラスでドームマスターに。




●著作権もクリアできそう
影にすることで、版権がクリアできるかもしれない。シルエットにすることで、著作権をクリアするのはよく行われている。
ホームスターR2D2で発表前の画像がロボットのシルエットだった。誰が見てもR2D2とわかるのに。
映画の宇宙船ってみんな白いよね。スターウォーズ、スペースシャトル、エンタープライズ、ディスカバリー号、黒いのはリメイクしたギャラクティカぐらいだ。これは簡単、宇宙で黒かったら目立たないからねー。
白影システムなら、合成するまでもなく、プラネタリウム投影と重ねるだけで、宇宙を疾駆する宇宙船ができてしまうのだ。もちろんお金があれば、表面テクスチャ作ってもいい。恐竜とかは普通に黒影でもいい。
でも、実際スターウォーズの宇宙船出すといろいろと問題があるわけですな。スターウォーズなんかディズニーに売却されたしね。あそこはうるさいらしいし。
そこで白影ですよ。白いけど影なわけだし。全然わかんないですよね、とか言って。
影で白いけどエンタープライズ号ではなくて3本の円筒と1つの円盤が編隊飛行してるだけです。とか。
いや、ミッキーとかシルエットでもダメとかいいますけど。
皿とか、ボールとか積み木を使ってモデリングして、影がミッキーになるアートとかありますやん。影だけでダメなら、いったんレゴでモデリングしてそれを影にするとかでいけるのでは。

●ドームスクリーンがラフでいい
あともうひとつ。これは白影ではどうなるのかわからない、ふつうの影絵3Dの場合なのだが。スクリーンのクオリティを選ばないというのがある。スクリーンの骨組みが見えていても、継ぎ目があっても、スクリーンに水玉模様があっても、少々歪んでいても大丈夫なのだ。
これは、普通の映像投影では考えられないことだが、本当。
逆に3D的にプラスに働くこともある。ちょっと前、GFアニメに線を描くだけで3Dに見えるっていうのがあったでしょ。あれと同じ。
これは3D影絵にとってとても有利な点。

●世界配給
Make 東京ミーティング1とダイコン7からイベントに自主参加するようになった。NT京都とか、超会議とか。
SF大会のダイコン7やTコンででは暗黒星雲賞もらった。TOKONではパワードスーツの次点だったけど。
アメリカのメイカーフェアに行った時思ったのが反応がSF大会と同じだということ。スタートレックやスターウォーズはアメリカではこどもでも知っている、基礎教養なのだ。まあメイカーフェアなので、そういう人が集まって来てるのかもしれないけど。アメリカのプラネタリウム館に来る人はもしかすると日本でのSF大会にくる人級のオタクなのかもしれない。
つまり、意外に海外に売れるかも。

●白影で世界制覇
ドームマスターなら、世界中のデジタルプラネタリウムで3D投映可能。スクリーンや投影機の変更はいらない。赤青メガネだけ(これも最近はプラスチックに印刷した安いものがある)。どんな大きな館でも、小さな館でも、アマチュアドームでも。魚眼投影のプロジェクタがあれば普通の部屋でも。MITAKA ドーム3Dとセット販売してもいいかもしれない。売り方はわかりませんが。
宇宙船の他にも、恐竜世界や極小世界(セントラルドグマ)動物(鯨とかイルカとか白黒でいいのでは)迷路、ジェットコースター、フライトシミュレーター、ゲームなど、廉価版のドーム3Dとしてシリーズ化もできる。
影3Dは、これはこれで面白いのですが、まだ全都道府県の半分くらいしか行ってなくて、世界制覇ともなると無理。しかしもしドームマスターが売れて、世界で投映されたらこれは世界制覇と言えるのでは。


というわけで、長々つぶやいてみたので、自分ではまったく出来ないことなので製作のお手伝いはできませんが、アイデア、シナリオ、投影実験などには協力できますのでCGが作れる人、MMDの人やニコニコプラネタリウム部の人はぜひ白影システムでドーム3D作ってください。おわり。

投稿者:ヒゲキタ
at 14 :38| 日記 | コメント(0 )

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