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2014 年09 月26 日

がんばれドリラー

「がんばれドリラー」
 知ってる先生が顧問の高校生たちが、天文部でピンホールプラネタリウムを作ってて応援したかったので、書いてみた。
それと、その時、「穴あけがうまくならないんだったら、向いていないからやめたら」みたいな発言してる人がいて、そうじゃないだろと。




彼は本屋で立ち読みした雑誌でピンホールプラネタリウムというものに興味をもち、自分で作ろうとした。

星図をアルミボウルに描き写し、ドリルで穴を開ける。
彼は金属加工の技術は何も持っていないし、天文学の知識もない。
でも彼は、プラネタリウムを作ってみたかったのだ。

穴は思った位置に開かないし、ドリルの刃は細くてどんどん折れていく。
それでもなんとか数百個の穴を開け、豆電球を入れて部屋の壁に映してみた。
星は大きくて本物らしくはないが、意外にきれいに映ったので彼はうれしかった。
しかしとんでもない大失敗に気づく。

星空が裏返しだった。ど素人だ。大笑いだ。彼は落胆した。
誰にも見せずに、誰にも話さず、プラネタリウムは捨てた。

でも誰にも話さなかったので、「馬鹿じゃないの。もっと勉強してから作ればよかったのに」とか、「不器用なんだから向いてないよ。作るのはあきらめたら」とか言われることはなかった。

それから1ヶ月たって、彼は材料を買って来て、またプラネタリウムを作り始めた。
トレーシング紙にコピーして裏返しの星図を作った。失敗から学んだのだ。
数百個も穴を開ける練習をしたわけなので、穴開けは結構うまくなっていた。

がんばれ。

そのプラネタリウムはその後35年以上も使われることになるのだ。

がんばれドリラー。

投稿者:ヒゲキタ
at 20 :27| 日記 | コメント(1 )

◆この記事へのコメント:

◆コメント

そのピンホールプラネタリウムを使った出張上映という仕事を追随する者も現れた。彼はドリラーではなかったものの、違う方法で同じ原理のプラネタリウムを自作し、それはその後10年以上使われることになるのだ。いまやデジタルの波に押されて風前の点光源、いや灯火になっているけれど…

投稿者: ウィル : URL at 2014 /09 /26 22 :48

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