2007 年11 月27 日
頑張れドリラー
ピンホールの穴開けは最重要だが孤独で気が滅入る仕事だ。フィルム式なら穴は開けなくていいし、メガスターならXYステージのレーザーが開けてくれるはずだが、人間が手作業で開けなくてはならない。開けたらマーカーで星図をチェックしてすべての星のチェックが終わるまで作業は続く。サークルなどでは分担して作業できるが、一度に何人もかかれるわけでもない。一個一個あけていくしかない。分担するにしても個人のくせで穴の直径が変わるかもしれないので、同じ等級は同じ人が開けた方がいいかもしれない。「じゃ、そういうことで1等星はオレ。2等星は山田。3等星は鈴木。4等星は佐藤。5等星は山本。6等星は穴田の担当に決定しました。頑張ってください」 「はい」
「ところで6等星って何個あるんですか?」 「そうだな、大体4000個くらいかな」 「えっ・・・」
そんなあなたに、穴開けが楽しくできる、とっておきのアイデアがある。
作業台にライトテーブルを置く。ライトテーブルがなかったら、作る。テーブルをひっくり返したりバケツにガラスを置いてライトで下から照らす。ガラステーブルでもいい。ガラスにはトレーシングペーパーなどを敷いて光を拡散させておく。その上に恒星球にする塗装済のアルミボウルを置きドリルする。
穴があくと内側から光がもれ、あなたの目に直接飛び込んでくる。この光こそ星の誕生した瞬間だ。アルミボウルの穴は単なる穴ではない、一つひとつが星なのだ。ひとつ穴が開くたび、星がひとつ生まれる。そう、これこそピンホールドリラーの喜びなのだ。あなたは宇宙の創造者なのだから。満天に星々の輝きが満ちた時、作業は終わっている。
がんばれ。
投稿者:ヒゲキタ
at 23 :07| 日記
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◆コメント
15年ぐらい前に、切り抜く本の型紙を使ったプラネタリウム工作教室をやりました。ところが穴あけ作業は実に不評でした。自分は、穴あけこそがこの工作の一番楽しい部分!と思っていたので驚きました。千枚通しを深くまで注意深く突っ込んで一等星を作る時とか、星座ごとに穴を空けていく時に、楽しさとか達成感が感じられないと、工作教室が苦行の時間となってしまいます。たしかに、完成したときには天井や壁に豆電球の光が作る点々に感激していました。しかし、ドリラーへの道は、遠く険しいものなのだと思います。
投稿者: むろいし : at 2007 /11 /29 06 :10
◆コメント
ドリラーへの道は遠く険しい。遠く険しいのがドリラーへの道なのだ。紙の時は内側に消しゴムか発泡スチロールをあてるといいようです。自分は工作が好きだったから気付かないけど、小学生の工作技術はそんなに高くないです。あれだけ説明したのに、その意味もわかるだろうに全部同じでかい穴を開けている子、いました。
投稿者: ヒゲキタ : at 2007 /11 /29 06 :51
◆コメント
宇宙の創造者だったんですね。ヒゲキタさんって!
すごい!!
立体映像にドキドキわくわくしていましたが、・・・
あ!!!
今すごいアイデアが生まれました。この次話しますね!!
いたってシンプルですよ。世界整復みたいな。
投稿者: もりお : at 2007 /12 /08 03 :36