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2009 年06 月08 日

あちこちで3D

楽知ん研究所の宮地さんから高校の文化祭で3Dをやりたい、クラスの中心メンバーに見せて、作り方など相談したいとのことで、来週、名古屋に行くことになりました。こういう仕事はうれしいです。

宮地さんのように先生や高校生から文化祭の展示で3Dをやりたいのでという話はいままでいくつかありました。こちらも作り方などをFAXなどでアドバイスしています。勝手に真似してやってもらっても別に気にしません。自分も本で見た実験や工作をやっていたり、ジブリに断りなくトトロを作らせたりしているのですから。ブログにも作り方を書いていますし、このあいだ雑誌にも作り方を載せてもらいましたので、それを見たりして誰が作ってもいいわけです。
Make:  日本版6号
 (表紙右下隅に全天周立体映像投映装置と書いてあります)

昨日は京都の理科教材を作っている会社でプラネタリウムと3Dを投映してきました。
科学館の展示物の試作検討会の中でアドバイザーの大学教授がテレビで(私のではない)3Dの実験を見たと言う話が出たらしいのです。検討会にきている別の先生が私を知っていて、それならヒゲキタさんが前からやっているよと言ってくれ呼ばれたわけです。こういう仕事もいいですねえ。観客はおじさんばっかりですが楽しんでもらえたようです。

この会社の主力製品は人体模型らしく、解剖人体模型が飾ってある会議室で弁当を食べるという嫌げな体験(笑)をしました。工場には脊髄注射練習用腰部マネキン(おしり)が棚にずらりと並べてあったり、これも注射用か手を型取りしたものとか人体部品がそこら中に置いてあって、ホラーな工場でした。
京都科学

その、テレビでやっていた3Dの実験というのはあの米村でんじろうさんがやっていたようなのです。これは一言、テレビでやりますからという連絡はしてほしいものです。これでは、テレビを見た人はこの実験はでんじろうさんが発明したものだと思ってしまいます。
ソロモン流(テレビ東京) 5月3日放送

たしかにこの3D方式はとても簡単なものなので独自に思いついた人もいるでしょうが、でんじろうさんはそれは通らないのです。この3Dは学研科学大賞の優秀賞を受賞しているのですが、でんじろうさんはその審査委員だったからです。

賞というともうひとり、野呂さん。たの授でもおなじみの方です。野呂さんは数年前、科学の祭典のガイドブックを見て連絡してくれました。3D投影機を作ってみたことがあったがうまくいかなかったが横浜物理サークル(YPC)の先生からヒゲキタの3Dの情報をもらいできるようになったそうです。その後フィルターを偏光に改良したりして、昨年東レ理科教育賞を受賞したというメールをもらいました。

この研究の参考文献には横浜物理サークルの記事が挙げられています。これには千葉の先生がヒゲキタと連絡をとり、文化祭で3Dをやったこと、YPCの例会でその先生が3Dを投映したことが書いてあります。ですからこの参考文献を開いて見るとこの発明がヒゲキタのものの改良であることがわかるのですが、野呂さんがヒゲキタのを参考にして3Dを作ったことは直接には書いてないのです。題名も立体映像ではなく、影が空中に浮く装置です。これはちょっと微妙です。その賞が3D投映に対してのものなのか、改良に対してのものなのかよくわからないからです。
簡便な「影が空中に浮く」装置

実験は社会的なもので、真似され、改良されていくものです。真似されてなんぼ、真似されてうれしいくらいなのですがオリジナルがあるってことは言っておかないと。少しはこっちにも仕事がまわってくるかもしれないし。

投稿者:ヒゲキタ
at 14 :19| 日記 | コメント(4 )

◆この記事へのコメント:

◆コメント

はじめてコメントします。
赤青影絵もやっています「おっと」です。
この記事を読んで気になったのでコメントさせていただきます。
ヒゲキタさんてステレオアイのBBSで赤青影絵を知り、ドーム上映に応用されたのかと思っていましたが、それ以前から赤青影絵を上映されていたのでしょうか?
いずれにしても紹介していただいた関谷さんは、古くからある方法といわれていますから、この記事自体も誤解を生みかねないと思います。
もちろんドームとの組み合わせはすばらしいアイデアだと思いますし、ご活躍も応援しています。
私は大人数の赤青影絵の投影装置も作っていますし、よろしければ、情報交換などもオープンにやりたいなと考えています。

投稿者: おっと URL at 2009 /06 /10 17 :59

◆コメント

そうですね。私が赤青立体影絵を発明したんだ、みたいな言い方になってしまいました。すみません。
全然そんなことはなくて、私も古くからやられている方法(遊びの博物誌で紹介されているアメリカのエクスプロラトリアムでおこなわれていたという立体影絵)を応用したにすぎません。光源を点光源にしたことと、ドームに投映した点が改良点です。
古くからの方法を改良、独立に発見した人はたくさんいると思います。
おっとさんや他の立体影絵をやっている方について自分がどうこう言うつもりはありません。
ただ、野呂さんやでんじろうさんはヒゲキタのことを知っているのに、ちょっとフェアじゃないなと感じたのです。
これを作ったのは科学万博つくば85の富士通パビリオンの全天周立体映像を見てから2年後の1987年で全国アマチュア天文研究発表大会で発表もしています。プラネタリウムと立体映像の投映を仕事にしたのは97年からです。
私も大人数というか、ドームでなく普通のホールで出来るものを考えていて100ワットの電球を並べたものができあがっていますが、まだ実際に投映はしていません。高熱が一番の問題でした。フィルターや電球などについて情報交換できればありがたいです。
おっとさんは今個展中でしたか。

投稿者: ヒゲキタ : at 2009 /06 /11 09 :28

◆コメント


そんな昔から上映されていたんですね!大先輩に失礼しました。
また改めて情報交換させてもらえれば嬉しいです。

とりあえず、私のblogで近いうちに記事にします。

確かに自分のアイデアを無断で使われる事はあって、気持ちは良く理解できます。
発案者を大事にしないのは中国などは論外ですが日本もまだまだというのが悲しい現実かもしれません。

投稿者: おっと URL at 2009 /06 /11 20 :18

◆コメント

記事にしました。うまくトラックバック出来なかったので、url張っておきます。よろしければ、コメントまたはメールでご意見いただければ嬉しいです。
http://otto.blog.so-net.ne.jp/2009-06-15

投稿者: おっと URL at 2009 /06 /16 15 :21

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