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2007 年9 月3 日

「春のめざめ」&「過去のない男」

「春のめざめ」
たった27分で、しかも文学もの…と侮ってはいけない!

油絵がそのままアニメーションという手法への興味から見に行ったのだが、見てビックリ。文学ネタと言うことで、おとなしめの映像かと思いきや、少年の心象描写がイメージの奔流で表現されていて見応え充分な作品だった。

ダイナミックな画面の展開や牧夫一家のカリカチュア風な人物描写などは、チェコアニメ(ロシアアニメはノルシュテインとかカチャーノフくらいしか見てないので…)に近い感じだ。やっぱりその辺と根っこは一緒なのかなと妙に納得。

もちろんストーリーの方も切なくってよいです。けっこうグッときます。
短い作品の単独上映だが、東欧アニメのファンなら見て損はない作品。

「過去のない男」
やー、こっちもイイ映画でした。なんか、じんわりしみる感じ。

ストーリーは、結局みんないい人みたいな人情話なんだけど、演出がけっこう淡々としたタイリッシュな感じで、あんまり熱くならないとこがいい。
別れのシーンは抱擁とか握手をして離すと同時に左右へ歩み去ってゆくような感じ、男が女を誘うシーンも並んでセリフだけ言っているような感じで、実にあっさりしている。

こういう演出で、単なる人情話から、かえってより深い物語になってしまうのは、不思議だよなあ〜。まあ、この辺が名匠の名匠たるゆえんなんだろうが。

投稿者:親方
at 02 :16 | 映画 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

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