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2006 年05 月29 日

「リトルランナー」&「ホテルルワンダ」

先週は映画、見にいけなかったので、2本見てみました。さすがに疲れた〜。

で、まずは「リトルランナー」
まあ、感動の名作ですな。よくできた映画です。実話っぽいくせに完全にフィクションなところもよい。
ヒネクレ者の私は「実話です」といわれると、どのくらい事実に即してるのか非常に気になってしまう悪い癖がある。ニュースですら記者や報道機関の主観が入ってきていて、物語のベールを1枚かぶっている状態なのに「映画化」ともなると完全に物語化しちゃっているんじゃないかと思う。まあ、「実話を基にした物語」くらいの感じか?その点、完全なフィクションの方がすっきりしててよいと思う。
それはさておき、よくできてます。重くなりすぎないよう、うまく笑いを入れつつ、少年を最悪な状態に持っていき、一瞬シリアスな場面を入れて、いよいよ運命のボストンマラソンへ。で、このボストンマラソンの場面が意外に淡白。スポーツ映画ではなく少年の成長に重点を置いた話なので、マラソンで盛り上げるよりも、その後の様子で感動させようということだと思うが、抑制が効いてます。たまに見かける、盛り上がって終わりかと思ったらまだ続く、みたいな映画になってないところがうまい。
でも、もうちょっとマラソン引っ張って欲しかったような…。やっぱ、この手の映画だったらレースシーンに期待しちゃうよなあ。

「ホテルルワンダ」の方は実話の映画化。やっぱり、どのくらい実話か気になるのだが、この映画については野暮なこと。事実より真実を!ですな。
シネモンドの紹介文を見ると「買い付け価格が高く、スター性のないキャスティング、社会性の強いその内容から採算が取れないと配給会社から判断され、日本公開は危ぶまれていた」とのこと。だが、スリリングな展開と感動的な内容は一級品だ。
社会性が強いとはいえ、背景はうまく映画の中で説明されているし、二つの部族が対立して一方がもう一方を虐殺し始めたということと、国際社会はそれを見捨てたということが分かれば内容は分かるだろう。それに、社会的とはいえ映画の主要な部分は、ホテルで孤立無援になった人々が、助かるかどうかというサスペンスにあり、なぜ虐殺がおこったかとか、国連や国際社会がなぜルワンダを見殺しにしたのかという点には踏み込んでいるわけではない。良くも悪くも娯楽映画として多くの人が楽しめる、というか感動できる内容だ(難を言えば民兵と正規軍の違いというか関係が紛争や軍事に興味のない人には分かりにくいかも)。
その代わりにこの映画で重点おいて描かれるのは、権力も武器も持たない一般人が、いかに暴力に抗うかという点だ。これは映画に普遍性をもたせるという点でも正解だと思う。

それにしても、成り行きとはいえ、思想・信条があるわけでも高潔の人でもない一介のホテルの支配人が、四つ星ホテルの誇りと持ち前の交渉力を駆使して、家族と逃げ込んできた避難民1,200名を救おうと奮闘する姿は、ビジネスマンを筆頭に広く一般に受けるのでは。結構売れ筋とすら思えるこの映画を買い付けないというのは、日本の映画ファンのレベルをちょっと低く見すぎているんじゃないか、配給会社は?
あるいは、最初から公開するつもりで、署名活動は宣伝のための仕込みだったりして…。あ、でもそれだったら、ガンガンCM流して、もっと多くの映画館でやってるか…。

投稿者:親方
at 04 :49| 映画 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

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