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2006 年10 月24 日

「狩人と犬、最後の旅」

カナディアンロッキーの雄大な大自然を背景に、昔ながらの生活を続ける狩人と犬たちの交流を情感たっぷりに描きあげてます。どのくらい情感たっぷりかというと挿入歌が2回も入ってしまうくらい…。

この映画は、役者ではなく本物の罠猟師を主人公に撮ったということだが、このヒトがうまいし、ちょっとジャン・レノ風で渋くてカッコいい。空撮を多用したロッキーの自然は美しく雄大だし、犬たちも賢くて健気。時折姿を見せる動物たちも愛嬌があっていい(山猫がいつの間にか毛皮になっていたのにはちょっと引いたが…)。
手法としてはセミドキュメンタリーだけど、作品としてはきっちり劇映画になっている。すべてが計算どおり、熊も狼も名演してますという感じ(まさか動物プロダクション所属じゃないよね)。そういう意味では完成度の高い作品といえる(挿入歌除く…)。でも、セミドキュメンタリーなざらざらした感じの映画を想像していた私としては、狐につままれた感じ…。

似たような映画に「天空の草原のナンサ」(この邦題なんとかならんか…)という映画がある。こちらも役者ではなく実際の遊牧民を使って撮影した映画だが、「狩人と犬、最後の旅」とはずいぶん感じが違う。「ナンサ」のほうは、演技というより素のままの生活を撮ったような感じだし、子どもの遊ぶ姿やテント(ゲル)の分解作業なんかを延々と撮ったりして、かなりドキュメンタリータッチ。ストーリーらしいストーリーもない映画だが(一応、こちらも犬をめぐるエピソードが中心になっているが)、その淡々とした描写が、かえって見るものを映画に引き込む魅力を持っているように思う。

「狩人と犬」と「ナンサ」とどちらを評価するかは人それぞれだと思うが、私としてはあんまりきっちり作ってあるのは息苦しい感じがする。

まあ、それでも主役の犬を応援しちゃったけど…動物には弱いよなー。罠猟師のおじさん、あんまり犬に無茶させないでね!

投稿者:親方
at 02 :43| 映画 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

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