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2006 年11 月28 日

「LOFT」

黒沢清、久々のホラー作品。待ってました〜。

どうも黒沢清のホラーは難解というか分かりにくい印象なのだけど、この作品はストーリーを丹念に追っていて分かりやすい。でも、その分「CURE」や「カリスマ」、「回路」のように、ぶっ飛んだ感じがなくちょっと地味な印象を受ける。特に「カリスマ」や「回路」は終末感漂うラストが強烈だったが、この作品ではそこまで話は大きくならない(でも、かなりいやな感じだが←ビジュアル的に…)。この辺、最近作の「アカルイミライ」や「ドッペルゲンガー」なんかも考えあわすと興味深い気もする。

全般にショック描写は少なく、ジワジワと恐怖を盛り上げてゆくような演出。この辺は黒沢節が効いている。観客をギャーギャー言わせるより、不安に陥れていく感じ。たとえば、ひとりの部屋で、なんとなく後に人の気配がするみたいな。

でも80年前(だったっけ?)にミイラ(正確には屍蝋だろうな…)がいったん沼から引き上げられたにもかかわらず、どうやらまた沼に沈めてしまったらしいとか、最初の方の主人公が泥を吐くエピソードなんかは、もうちょっと広げても良いような気がする。特にミイラを写した(布をかぶっているが)古いフィルムが見つかったりするところなんか、そそられるエピソードなのだが。ミイラを監視するかのように微速度撮影されていると言う設定や、映像そのものの不穏な感じがうまいなあと思うんだけど、あっさり流してしまうところが、なんとももったいない。多くを語らずに思わせぶりな感じで、恐怖を盛り上げるというのは分かるのだが(実際、効果的と思うが)、引っ張ってほしいよなあ。そういう技巧的な、ある意味あざといような展開は嫌いなのかなあ。

あと、安達祐実がいい感じ。やっぱうまいよなあ。中盤から現れる謎の幽霊役なのだが、この人はどこか不健康というか、影がある感じでホラーによく合っている。これに懲りずに、今後もサイコな役で出てきて欲しい…。

終盤、動きだしたミイラを見て豊川悦司が激怒して「動けるんなら、最初っから自分で何とかしろよ」みたいな感じで突っ込むところが、妙に感心した。

それにしても、ミイラを寝室に置くか?

投稿者:親方
at 01 :38| 映画 | コメント(2 ) | トラックバック(0 )

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◆コメント

親方、yuccoだプゥ♪
.......................................................................................................................................以上。

投稿者: yucco☆ : at 2006 /12 /06 04 :58

◆コメント

以上か?ぷぅ〜

投稿者: おやかた : at 2006 /12 /07 03 :16

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