2006 年12 月07 日
「死者の書」
金曜日の雷以来、ネットにつながらなくなったのをイイことに、更新をサボってました…。プロバイダへの接続にはウィルコムのデータ通信専用端末を使っているのだけど、これのアンテナが不調だったらしく(ウチから500m以内には1ヶ所しかない…)、ずっと「圏外」表示が出っぱなし。きのうクレームの電話を入れた甲斐あってか、ようやくつながるようになりました。というか、以前より電波が安定したような気も…。そんな訳で久々の書き込みです。
で、日曜日に見た映画、「死者の書」の話題から。
この映画、エジプトやチベットの原作ではなく、折口信夫の小説が原作。これを「三国志」の川本喜八郎が人形アニメ化したもの。
冒頭に時代背景などを説明する短編というか解説の映画があって、それから本編というやや無粋な構成。まあ、素直に本編の理解に役立つし、解説映画自体は直接本編の内容に踏み込むわけでもなく、さりげなく映画の背景を語っていて出しゃばった感じがしないのが好感が持てる(でも眠い…)。あらすじは、後継者争いから24歳で非業の死を遂げた大津皇子の「執心」を藤原南家の郎女が鎮めるという話で、当麻寺に伝わる「当麻曼荼羅」の縁起みたいな形。
でも、これがなんだかセクシャルな話と感じてしまうのは、私がスケベ親父だからだろうか…。千巻の写経の誓いを立てて日夜写経に励む郎女の前に現れる仏。沈む夕日の中に現れるその姿を追って、ひとり雨の中、屋敷を出奔する(って「遁走」ってやつでは)。そしてたどり着いた寺で夜毎現れる大津皇子の霊。あー、やっぱりセクシャルな話だよなあ…。抑圧された性欲が幻覚となって出てるよなぁ…。
まあ、人形が川本喜八郎で質実剛健な感じだし、郎女の声の宮沢りえが落ち着いた信仰深い感じを出しているので言うほどではないけど、これがジュサブローとかの人形だったら女の「執心」の話になったかも。うーん、ちょっと見たい…。
予告編にも使われていたけど、大津皇子の塚の周りで布を振る「魂乞い」の儀式や邪気をはらうために弓の弦を鳴らしつつ床を踏み鳴らすといった呪術的な描写が妙に印象的。全体の雰囲気も人形ならではの感じが出ていて、なかなかたまらない1本です。
投稿者:親方
at 03 :01| 映画
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