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2006 年12 月18 日

「王と鳥」

おフランスのアニメーションです。
どうやらアニメの古典的フィルムのようです。公式HPを見ると1947年に制作を開始したものの、制作費ばかりふくらみ一向に完成しないことにプロデューサーが業を煮やし、監督の反対を押し切って強引に完成させた「やぶにらみ(放送禁止用語!)の暴君」を、監督が権利を買い取って27年後に「完全版」として完成させた映画とのこと。「やぶにらみの暴君」はアニメに関心の低い私でも聞いたことのある古典。だが、こんな裏話があるとは知らなんだ…。

まあ、そういう古い作品なのだが、古さを感じさせないところが凄い。おとぎ話風な設定とハイテクとレトロが混ざり合った感じ(巨大ロボットなんかハニワっぽいし〜)が普遍性を与えていると言うところが大きいが、たとえば砂漠の中にそびえる高層宮殿とかは二瓶勉の「バイオメガ」や「アバラ」に出てくる重層的な都市を連想させたりして(かなり強引か?)、いまなお古びないようなセンスの良さもそこここに見られる。この高層宮殿の階段を一気に駆け下りるシーンとか、技術的なところはどうか知らないが、ていねいな作りで新鮮な感じを受ける(逆にライオンとかはちょっと雑な感じ…)。

あと、王様のキャラクターデザインが濃くて好きだ。ひげそり跡も青々としてなかなかダンディだと思うが…。鳥の方は性格が濃すぎ。結構うっとおしい。

なんと言ってもこの映画、音楽がなかなかよい。ちょっとメランコリックでしっとりしていて、こういうのは日本のアニメにはないよなあ。特に最初の方に流れるシャンソン!「王様とロバと私、明日にはみんな死んでしまう。ロバは飢えで、王様は退屈で、私は恋で…。」グッとくるよなあ。実にフランスっぽい。
最後のオチも、ちょっと唐突な感じはするけど、自由に対する強烈なメッセージが込められていてフランスぽいよな〜。

アニメの古典ということで、アニメファンらしき人たちが多かった気がするが、エンドクレジットが始まるとともに、みんな出てっちゃったなあ。結構イイ映画だったと思うんだが…。

投稿者:親方
at 04 :43| 映画 | コメント(2 ) | トラックバック(0 )

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◆この記事へのコメント:

◆コメント

こんばんは。親方。第七警察DVD、彗星倶楽部に提出済みです。
こちらのほうも愛してください。
いろんな意味で泣けます。
またお店で会いましょう。
では。

投稿者: 第七警察 : at 2006 /12 /18 23 :22

◆コメント

DVD確かに受け取りました。
でも、一人で見るのが怖い…。

投稿者: おやかた : at 2006 /12 /19 20 :01

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