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2005 年05 月08 日

海を越えてA

秘書の方は、その方にある日私的にご相談を受けたそうです。

「伝統工法で造った日本の仏壇が欲しいから
 探して欲しい」

仏壇に関して、さほど知識もなかった秘書の方は
それこそ、東京中の仏壇店を歩き、日本中の仏壇産地を
ネットで調べて資料請求し、
また知り合いから情報を集めたそうです。

石川県能美郡寺井町、片田舎の小さな小さな佛檀の山本は、
私が当時作っていた1ページだけのHPがあったために
その膨大な情報の一角に引っかかったのでした。



そして、なんと選ばれました。

細かな条件を確認しました。

・ご自身も息子さんも外交官で世界中を転勤して歩くため、
 頻繁な長距離移動に耐える堅牢な木地と塗りであること。

・移動の兼ね合いと、都市型住宅が多い関係で
 棚の上におけるような小さな仏壇であること。

・サイズは小さくしても、造りは一切省略せず
 普通の仏壇を縮小したものであること、

・閉じたら、漆黒の美しさが際立つシンプルで上品な雰囲気、
 開いたら、伝統的な目映いばかりの金仏壇であること。

・五百年続く名門の家系であり、仏壇はこの先10代は
 守っていけるだけの耐久性を持つこと。

その他、蒔絵、装飾塗りにも細かな希望をいただいた。

堅牢な木地、塗り、耐久性に関しては本来、当工房が最も
誇りを持っている点であり、またそこを認められたわけで
まず、問題はありません。

蒔絵や装飾デザインも、注文生産しているので、
いつものことなので大丈夫でした。

問題は、サイズでした。

卓上サイズの場合、中の造形は多少簡略化して対応します。

しかし、今回は通常の宮殿(中にある屋根)をそのまま縮小して
卓上サイズの箱の中に収めなけらばならないのです。
仏壇を縮小する

仏壇とはもともと本山のミニチュアなのですが
さらに仏壇のミニチュアを漆塗りで造るといった様相です。

卓上サイズの仏壇は実際いろいろあります。
しかし、そこに通常規格と同じ形状の宮殿が入ったものは
これまで見たことがありませんでした。

投稿者:与五朗(よご)at 15 :27| 開発裏話 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

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