<< 前のエントリ | メイン | 次のエントリ >>
2008 年01 月14 日

儚さ・・・

15年程前の話になりますが、アパートで亡くなられた(自然死)方の話です。

丁度今頃の寒い季節でした。家賃の滞納者がいて、保証人はいたのですが一ケ月ほど前に亡くなっておられ、「代わりの方を立てて下さい」と依頼している最中でした。

その後本人とも連絡が取れず仕方なくその部屋を尋ねてみる事にしました。

呼びかけにも応答せず、新聞がかなり溜まっていて保証人もいない状態でしたので、万一のことを考え管理人として玄関のドアを開けることにしました。

すると奥の部屋の襖の陰から足が見えるではありませんか・・・
「○○さん!」と声を掛けながら室内に入りますと・・・

・・・もうダメでした・・・



これは、後日身内の方と室内の整理をしていたときに出てきた一通の「手紙」から分かったことですが、

その男の方は50代半ばで、事業に失敗して家族とも別れそして県外から富山へ来て日雇い労働者のような暮らしの言わば「落ちこぼれ」の生活をしてました。

ある日、身体を壊して入院しました。
身寄りのないその男の人を看護するためひとりの女性が付きました。その人は40代半ばで体が弱く未だ独身で、その女性が手紙の送り主でした。

「落ちこぼれた男」と「病弱で幸せ薄い未婚の中年女性」・・・
その手紙には、「愛しい人への切ない思い」が純粋に綴られていました。  


その女性を保証人としてこの部屋を借りていた分けですが、最初に申し上げたように一ヶ月前に亡くなられ、そのショックで男は何も食べずに酒しか飲まず最後は痩せ細って死んでしまいました。

「儚い恋」の終わりです。

・・・

寂しい話になりましたが、ふと思い出したので書きました。
・・・それでは。

投稿者:○○君
at 18 :21| ターセル | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

◆この記事へのトラックバックURL:

http://blog.nsk.ne.jp/util/tb.php?us_no=1758&bl_id=1758&et_id=60467

◆この記事へのコメント:

※必須