2008 年04 月21 日
4月26日の聖火リレー出発式
中国政府は「内政問題であり、口を挟むな。」と突っぱねていますが、世界各地で、北京オリンピックの聖火リレーに対する抗議行動が展開されています。善光寺では、「同じ仏教者としてチベット暴動で僧侶が弾圧されている」ことを理由に、聖火リレーの出発式に境内を提供することを取り止める決断をしました。「聖火リレーや北京五輪に反対ということではなく、チベットの人権問題が解決していないという認識に立っての抗議であり、中国政府は聖火リレーよりも人権問題の改善という本来のやるべきことをやってほしい。」という強い意思を表明しています。「無宗派の寺だからできた。」と、羨望をまじえて賛同する僧職者がいる一方で、「出発地辞退という対応は非常に残念。聖火をめぐる状況は大変かもしれないが、善光寺のような存在が動揺せず、どっしりと構え、静かにやりとげることで事態を良い方向に変えることができたかもしれない」とか、「政治とスポーツは分離すべきだ。今回の状況の中では、むしろ善光寺が引き受けて“世界の善光寺”になる最大の機会だと思っていた。」との意見もあります。だからと言って、本堂の回廊に落書きをするという行為は許されません。
中国政府を非難する報道機関や、北京五輪の開会式不参加を表明・検討している欧州各国政府に対する在欧中国人の抗議行動は、表現や行動の自由を謳う民主主義国家では保障された権利ですが、中国湖北省武漢でのフランス系スーパーマーケットの入り口を数十台のダンプカーで封鎖するのは違うと思います。ま、オリンピック自体がコマーシャリズムに染まってしまっているのに、聖火のリレーが世界中を回る必要があるのかも疑問です。
写真は、サルナートの初転法輪寺のご本尊(釈迦牟尼仏)です。
投稿者:ぴるぜんat 20 :06| 日記 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )