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2020年3月13日

検証>口径優位?月齢18.0

望遠鏡は口径大きい方が優位!と言えるが、3/13未明に撮影した月齢18.0の月で独断的口径比較検証してみた。1つは月面横着撮りに使用しているビクセン製口径6cm,F15アクロマート鏡筒【V】。もう1つは星雲星団用の中華製口径20cm,F4反射(BKP200)【B】の2本。口径は3倍以上の違いあるが、焦点距離は【V】=910mm、【B】=800mmで然程差が無いので両者そのまま直焦点撮影で良かったかも知れないが、【B】の解像能力が勿体ない?気がして1.4テレコン付けてfl=1120mmに延長し月を南北に分けて撮影し、処理後半段階で1枚に合成した。カメラは太陽用に常用しているLumixG7で4K,MP4,30秒動画を元にどちらも同様の処理過程で静止画化した。
↓月齢18.0(全体)【V】↓

↓同【B】↓

同じようなWeb掲載サイズにしてしまうと、【V】【B】見た目それほど差が感じられない。そこで、どちらも原板を1200ドット平方にトリミングして比べてみる。↓
↓月面西側1200ドット平方トリミング【V】↓

↓同【B】↓

う〜ム、これもそれほど(3倍以上の)口径差を感じない。
☆彡原因として考えられるのは、次の2つ☆彡
★1つは、上空大気状態がそれほど良くなかったのでは?ということ。川に例えると流れが速い川底と遅くゆったりした川底の小石を見分ける場合の違い。大口径でいくら細かいものを見分ける解像度をもっていても、上空気流が速く乱れていては細かいものが見られない。
☆彡アマチュア無線の世界では、『1にロケ、2にロケ、3,4が無くて5にアンテナ』という言葉がある。ロケ=ロケーション、すなわち電波の伝搬状態がよい箇所を表す。ハンディ機の極小出力&貧弱アンテナでも、ロケさえ良ければ遠くの人と無線通信ができる。アンテナは望遠鏡にあたる。ロケが悪ければどんな大型アンテナでも通信不能と同じで、どんな高性能望遠鏡でも上空大気悪ければ細かいものは見えない。
大口径望遠鏡は上空気流の方もそれ相応にクッキリ落ち着いて見える大気状態が必要。日本では25cm以上の口径がもつ解像度を発揮できる日は月に1,2度程度、という話を聞く。対して小口径はそれほど上等な上空気流状態でなくてもそれなりにちゃんと見える=あまり空の状態を気にしなくて済むので使用頻度も上がる。
★もう1つは、光学系の違い。端的に言うと【V】はオーソドックスで無理ない設計のF15アクロマート、対して【B】は口径3倍以上あるもののF値が4と小さい(明るい)ため、光軸上はともかく、中心から外れる程コマ収差などの影響が強く出てくること。対策としてコマコレクターレンズを入れてありある程度補正されているが、一般にF値が明るい光学系ほどピント位置がシビアになる。画像をよく見ると周縁部の像がやや甘くなっているのが分かる。↓追記へ続きます↓
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投稿者:龍吉at 20:54 | 太陽系・月 | コメント(0)

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