2010 年11 月17 日
行政訴訟の実務研修
とてもハードな2週間だった。
先週の堺市と大津市の法務研修講師に始まり、それに引き続きさいたま地裁での区画整理の行政訴訟の集中証拠調べ、そして今日は、日弁連特別研修で行政訴訟の実務に関する研修講師を務めてきました。
日頃取り扱っている分野とは言え、改めて条文や判例を見直し、日頃感じていることを分かってもらえるように形にまとめるのは、準備にとても疲れました。誰からも研修の感想は聞いていませんが、少しは役に立ったことを祈っています。
今日話したのは、行政訴訟のビギナー向けの原告代理人向けの講義でしたが、裁量処分を叩くときの考え方(法規の解釈を超えたところに裁量処分があるので、それを統制するには処分の判断過程の合理性・理由があるかどうかを、事実を前面に押し出して、その事実を考慮しなかったことが違法ではないかを掘り下げる)、そして最近何件も立て続けに控訴理由書を書いた、原告適格や差止めの訴の重大な損害といった訴訟要件のみの審理で実体審理に入らずに却下判決を受けた事件の争い方(訴訟要件の判断は違法事由を含めた事実審理を踏まえないとできないこと)を話させていただきました。
奇しくも、どちらも弁護士にとって一番の原点である「事実」の重要さを説くものです。
事実に始まり、事実に終わる。公害訴訟の時代から強調されてきたことです。