2013 年1 月27 日
社会保障制度改革国民会議
少し前になるが、1月21日付日経新聞朝刊の14面に、健康保険組合連合会による全面広告が掲載されていた。「日本の財産・国民皆保険制度を持続可能にする具体的な答えを、社会保障制度改革国民会議に期待します。」という見出しの下に、「我が国の財産・国民皆保険制度を守ることこそ、国民共通の願い。高齢者医療を支えるために公費(税金)を投入拡充し、持続可能な制度を実現するべきです。国は増大する医療費を適正化するための具体策を示すべきです。」
という意見広告だ。
しかし、保険医療制度であれば保険料で維持すべきであって、税金投入を求めるのは保険制度としては少し筋違いではないか。
また、増大する医療費を「適正化」するというのであれば、給付の削減しかありえないから、それを高齢者医療の充実というのはおかしいだろう。
結局、健康保険組合連合会の意見は、期せずして、日本の保健医療制度はもはや現状のまま維持することは困難な状態に至っているということを露見しているのではないか。
そもそも国民皆保険制度は、その表面的なお題目とは別に、保険料集めを目的として創設されたという実情を軽視すべきではないだろう。