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2018 年4 月29 日

土地区画整理事業における実務上の諸問題

 これまで何件か土地区画整理法に関する事件を受任してきた。事件の受任にまでは至らなくても、土地区画整理事業関係の法律相談を受けることもよくある。土地区画整理事業以外でも、土地改良事業や市街地再開発関係の相談もある。中には、遅々として進まない開発事業について、開発手法として組合施行の土地区画整理事業の手法を薦めたこともあった。
 しかし、事件や相談を受ける度に、土地区画整理法に関する、地権者の立場に立った文献がないことに往生した。施行者側のバイブルには大場民男先生の文献が多数あるが、地権者側の文献はない。裁判所も土地区画整理法には素人で、大場本で土地区画整理法の勉強をしているぐらいだから、解釈・運用に詰まると大場本しか出てこず、大場理論に従った判決が出される。
 先日も、土地区画整理事業の施行地区から除外(いわゆる中抜き施行)された地権者が組合から境界確定訴訟・工作物撤去訴訟を提起されたときに、組合がその原告適格があるのかをめぐって、大場本には書かれていない、大場先生もできると言っておられるという理屈で訴訟が進行されようとして苦労したことがある。
 実務的には大きな問題であるのに、それに対する有効な理屈も対応策もまだ確立しておらず、ただ地権者はなすがままにされている問題として、申出換地の問題もある。
 そういった実務上の諸問題について、少しでも議論の参考になるように、私の経験と問題意識をとりまとめ始めた。その一端を産大法学51巻3・4号(2018年1月)に「土地区画整理事業における実務上の諸問題」として紹介してみた。何かの参考になればと思う。

https://ksu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=9967&item_no=1&page_id=13&block_id=21

投稿者:ゆかわat 07 :59 | ビジネス | コメント(0 )

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