2019 年11 月16 日
児童手当使い道 調査結果を修正 厚労省
今朝の日経朝刊の4面に小さく、表記の記事が載っていた。高所得者への児童手当ての見直しの根拠とされた、中学生以下の子どもがいる世帯に支給する児童手当の使い道に関する厚労省の調査で世帯年収1000万円以上の受給者は児童手当の32%を「大人の小遣いや遊興費」に充てているとの調査結果は、誤りで、正しくは0.9%であり、32%は「子どもの将来のための貯蓄・保険料」だったという。
誤りというのは通り越している。政策誘導のために調査結果数字を平気で改ざんする。ばれてもともと、そのときはミスですまし、ばれんかったら儲けもん。ばれても、最初に世論を方向付けできたからそれでよしとする。
今時、民間でもこんな姑息な戦術はとらない。統計こそはお役所の聖域だったのに、それをここまでないがしろにするのが何度も続くのは、本当に官僚の権威も地に落ちたというほかない。
そこまでのコンプライアンス無視が日常化しているのは、公務員が個人責任を負わないという国賠法の原則が悪用されているからであろう。もはや、昔のように、公務員の個人責任の追及が公務員の萎縮をもたらすという立法事実はなくなったというべきである。公務員がちゃくと職責を果たすためには、職務上の注意義務違反には公務員個人としても責任をとるべきという当然の倫理規範を公務員に課すべきではないか。