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2020 年1 月1 日

明けましておめでとうございます

令和の時代になりました。東京オリンピック、大阪万博とビッグイベントが続きます。
しかし、水を差すようですが、私にはあまりよいようには思えません。未だに右肩上がりの世の中が続くかのような幻影から抜け出せずにいるように感じるのです。
世の中は既に人口減少時代・少子化の時代に入っています。それも急激に進んでいます。もはや右肩上がりの時代の法原理法制度ではやっていけず、新しい時代にふさわしい新しい法制度が必要です。権利の過剰行使を前提とする規制社会から、権利の適正行使を促す協働・配慮社会を目指すべきです。ビッグイベントでつかの間の好景気は、時代の変化に適応する機会を失わせるのではないかと不安です。私にはその先の落ち込みが見えます。

旧年最後に固定資産評価ミスによる過誤納税金返還を求める国賠訴訟で新しい判決を得ました。かつて固定資産税の住宅用地減税適用過誤国賠の途を開きましたが、さらにその中身を深化する判決です。最近、固定資産税関係の事件を扱うことが多くなりましたので、さらに発展させたいと思います。
一般廃棄物処理委託業務の既存業者の保護を求める訴訟に関与させていただくことになり、一般廃棄物処理業者・事業者団体とのお付き合いも深まりました。一般廃棄物処理業許可に関する最高裁判決を得てから5年経ちますが、その後の判例の深化が進んでいませんので、さらに深化させていきたいと思います。廃棄物処理も、行政と業者と住民との協働・配慮を目指す関係に入っていくべきだと思います。
湖東事件再審弁護団のお手伝いもしています。お手伝いをするようになってすぐに再審開始決定を得、新年早々に再審公判を迎えます。3月末には再審無罪判決を得たいと思います。その後、えん罪事件を起こした国・警察の責任を明らかにして、不当な見込み逮捕・捜査をさせないためにも、国・自治体の責任を問い、公務員個人の責任が追及されるべきです。
本年も、全国各地の裁判所や自治体を巡って、自治体相手の行政関係事件を中心に取り組んでいきたいと思います。

昨年3月に京都産業大学法科大学院を離れ、4月から大阪学院大学法学部に移りました。学部生に環境法や地方自治法を、院生に税法・行政法を教えています。
法科大学院では実務的な訴訟に特化した技術的な演習が中心でしたが、学部では基本的な、法学的なものの考え方、身近な社会事象の法的分析が中心です。
物事を自分の頭で考えて、文章で表現できるように授業では毎回小レポートを提出してもらい、100通弱のレポートを添削したり、コメントしたりしています。そうすると、毎回、いろんな視点のレポートが出され、数名はその場でスマホで情報収集したのか、私も知らない関連情報も提供してくれて、それを整理するだけで一冊の本が書けるほどです。集合知というものに出会った気分です。
自分の頭で物事を考え、質問をして、答えを得て更に追及する経験をしてもらう意味で、学生のゼミでは刑事模擬裁判を取り入れてみました。法廷見学もしたことのない一般法学部生なので、教材は高校生模擬裁判選手権大会のものを使いました。新年早々に模擬裁判当日を迎えます。これからの社会を、自分で考えて判断して生きていける学生を輩出するのに役立てば何よりです。

本年が皆様にとって明るい1年となりますように。

投稿者:ゆかわat 01 :24 | ビジネス | コメント(0 )

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