2020 年10 月9 日
任命拒否、業革機運に冷や水
今朝の日経新聞「大機小機」の欄から「日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命が菅首相によって拒否され、日本学術会議は、その理由の説明と6人の速やかな任命を求める要望書を提出した。こうした動きに対して首相は「(会議の)総合的、俯瞰的活動を確保する観点から今回の任命について判断した」と述べ、なぜ特定の6人の任命を拒否したのかについて「人事に関すること」と基準すら説明しなかった。世論調査では任命拒否を不適切とするものが過半数を占め、野党は国会審議を求めている。
日本学術会議法(略)は、日本学術会議が優れた研究又は業績がある科学者を推薦し、それに基づき首相が会員を任命すると定めている。そこには「総合的、俯瞰的活動を確保する観点から判断」という言葉はない。現に法の専門家集団である法学委員会は「日本学術会議法上、首相には会員を選考、罷免する権限はない」との考えで一致したとされる。(略)
選挙による国民審判を受けていない菅内閣がなぜこのような政治体力をそぐ判断をしたのか不可解である。(略)
首相は就任会見で「安倍政権での国民や国会への説明不足という負の側面を継承するのか」と問われ、「ご指摘のような問題が二度と起こらぬよう取り組む」と答えている。(略)ぜひとも首相自ら、6人の任命を拒否したことが国民のために働いた結果であると説得力ある説明をする必要がある。」
日経新聞が指摘する通り、会議を自分の意に沿う学者だけで固めて、強権的に、国民の納得いく説明もしないというのであれば、まさしく安倍政権の負の側面の承継でしかない。法の誠実な執行者であるという姿を、国民の前に明らかにすべきだ。