2021 年1 月1 日
明けましておめでとうございます
皆さま明けましておめでとうございます。新型コロナウイルス感染症の猛威は一層激しくなりつつありますが、きれいな澄み切った元旦です。
去年の春は、非常事態宣言発令中、京都の街中から人や車が消えました。高速道路も新幹線も誰もいませんでした。まるでホラー映画のようでした。
今はそれ以上に非常事態ですが、人の流れは止まっていません。その結果が爆発的な感染まん延につながっているのでしょうか。
新型コロナウイルス感染症まん延は、経済問題であり、環境問題であり、国家政策の結果です。人口が多くなりすぎ、地球環境を改変し破壊しすぎたことへの地球環境の悲鳴・リアクションなのでしょう。地球温暖化・気候変動問題に対する強制的なリセットのように感じます。
人類も、自分も、環境変動に適応すること、生き方をスローにすることを考えていきたいと思います。
今年で、大阪学院大学法学部に移って3年目を迎えます。学部では地方自治法と環境法とゼミを、大学院では行政法と税法を教えています。博士課程も担当するようになりました。でも、キャンパスから学生が消えたのは驚きでした。私もパワポやZOOMを覚えそれを利用した授業に切り替えました。工夫しないと学生の顔・反応が見えないので大変ですが、学生からは、周りのざわつきがなく、静かに授業に専念できた、資料やレジュメを提示しながら、どこを説明しているかも分かりやすいので授業が理解しやすくなった、という肯定的な評価もありました。今年は、双方向性をどう取り入れ、実現するのかを考えたいと思います。
去年は、私も弁護団の末席を務めた湖東事件再審無罪判決を踏まえて、警察・検察の違法を明らかにする国賠訴訟を提起しました。大学に行く時間が増え、弁護士としての業務量は減りました。今年も行政事件を中心に取り組んでいきたいと思っています。行政による人権侵害を少しでも減らしたいと思います。
司法もIT化の流れが始まっています。
しかし、司法は人間の権利義務関係の争いを確定する場です。そのためには対立する当事者双方が主張と立証を尽くすことのできる環境を保障すべきです。遠隔地にあって裁判所まで物理的にも時間的にも行けないというのは解消されるべきですが、オンライン・ウェブ方式の弁論は対面式と比較してコミュニケーションが不十分になります。適正なコミュニケーションを阻害する要因もあります。オンライン・ウェブ方式は当事者双方の合意がない限り、強制すべきではありません。しかし、国・経済界をはじめ、弁護士会や裁判所には、全ての裁判手続きをオンライン化で義務化しようとする短絡的な動きがあります。私は反対です。それなら、いっそのこと、裁判官もAIに代えるべきでしょう。そうすれば、裁判官の当たり外れもなくなり、公平な裁判が実現するでしょう。
今年も、いや、今年こそ、皆様にとって良い年となりますように!