2005 年10 月10 日
長女連れ去り弁護士逮捕
10月6日朝刊から。「親権を失った小3の実娘(9)を登校中に連れ去ったとして、福岡県警は5日、横浜市のW弁護士(47)と、その父(73)の両容疑者を未成年者略取の疑いで逮捕した。県警は下準備の調査などを請け負った探偵業の男2人も同容疑で逮捕する方針(後に実際に逮捕)。W弁護士は「連れ戻しただけ」と容疑を一部否認。
容疑は、4日午前7時15分ごろ、福岡市南区の西鉄の駅で、登校中だった娘を抱きかかえ、車で名古屋の春海容疑者の自宅まで連れ去った疑い。
「登校してこない」と学校から連絡を受けた元妻が南署に届け、県警が5日夕、名古屋の父宅で娘を保護し、一緒にいたWを現行犯逮捕した。
W容疑者は神戸地裁判事補、福岡地裁判事補などを経て現在は第一東京弁護士会所属。04年9月に離婚が成立し、同年10月から親権が元妻の父母に移っていたが、親権を巡って調停中で、当日は調停期日が予定されていた。娘は元妻らと一緒に暮らしていた。」
Wには親権はないから、たとえ父親だとしても、法的には未成年者略取の構成要件に該当する。しかし、元裁判官で、現役の弁護士であり、略取当日に調停期日も予定されていたのに、どうして実力行使に出たのだろう。親権を争っている親が子供を連れ去るというのはよくある話で、それで未成年者略取で刑事事件になったものはないから、強引に子供を連れ去った方が勝ちだと思ったのだろうか。確かに私もそう思った事件は何件もある。本件でも、未成年者略取の構成要件には該当したとしても、本当に刑事事件として立件、それも強制捜査に踏み切らなければならないほどの違法性があるのだろうか。また、現役の弁護士で、逃亡のおそれがあるのだろうか。また、子供の連れ去りなのに、隠滅を防止しなければならない証拠があるのだろうか。
弁護士だからといって身内をかばうつもりはないが、通常であれば強制捜査にまで及ばないだろうと思われる。それなら、新聞では報道されていないような、よほどの悪質性があったのだろうか。
それにしても、W弁護士から調査を依頼された探偵事務所までが逮捕されるというのもよほどだ。もっとも、本件では探偵は単に調査しただけではなく、略取の実行にも関与したということだが。
本件に関する2ちゃんねるの記事を見ても、逮捕に批判的な意見が多かったように思う。親権とられて、普段から父親の悪口を元妻から吹聴されて、子供からもよく思われず、面接の機会も制限されて、それで養育費の支払義務だけ負わされて、金だけとられる元夫の立場に対する悲哀・同情。離婚制度のあり方、離婚についての受け止め方を考え直す必要があるように思う。
投稿者:ゆかわat 13 :49| 日記 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )