ジェノサイド
高野和明「ジェノサイド」を読んだ。
去年の夏、ちょうど1年前の自治体合同法務研究会の帰りにたまたま駅の本屋で見つけた時からとても気になっていた本だった。
仕事が終わってから、毎日11時過ぎから読み始めたが、本当に寝不足になるほどのめりこんでしまう本だった。久しぶりの感動だ。
ジェノサイド=大量虐殺という表題に示されるように、PG12映画のような凄惨なシーン、人間の残虐さをこれでもかというほど突きつけてくる半面、とても一途な利他的な優しさ、亡き父の足跡を偶然にたどり結局は父親と同じ人生を歩むとともに父への尊敬を取り戻す青年、人類史や薬学やITなど様々な知識、西洋活劇のようなきわめてスリリングで早い展開、はてはバミューダトライアングルの謎解きなど、これほどまでに博学で、また繊細な描写は見たことがないというほどの本だった。何よりも、これが日本人作家の作品とは思えないほど、西洋的な感覚にひたされた小説だ。ジェノサイドで始まったのに、ジェノサイドがいたるところで繰り広げられているのに、最後読み終わる頃にはとてもあたたかい心で満たされていた。いずれ新生人類に滅ぼされることになる現生人類として安らかな最期を迎える心境になった。
最後に、文中の1フレーズ。
「人間は、自分も異人種も同じ生物種であると認識することができない。肌の色や国籍、宗教、場合によっては地域社会や家族といった狭い分類の中に身を置いて、それこそが自分であると認識する。他の集団に属している個体は、警戒しなければならない別種の存在なのだ。もちろんこれは、理性による判断ではなく生物学的な習性だ。ヒトという動物の脳が、生まれながらにして異質な存在を見分け、警戒するようになっているのさ。そして私には、これこそが人間の残虐性を物語る証左に思える」
これはまさにいつまでもなくなることのない、学校でくりかえされるいじめ自殺問題に対する解なのだろう。
投稿者:ゆかわat 22 :44
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ひぐらし
台風が過ぎ去ってからここ何日か、朝晩がめっきり涼しくなった。窓を開けていると、寒いぐらいだ。
そのためだろうか、先ほど、急に窓の外からひぐらしの鳴く声が聞こえてきた。
1匹だけ、京の夜に鳴くひぐらしは、一層涼感を味あわせてくれる。
投稿者:ゆかわat 21 :41
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ハートキャッチプリキュア
日曜日の朝8時半からやっている少女向けのアニメTV番組だ。子供が見るのでときどき一緒に見ている。対象年齢は5,6才くらいなのだろうか。
しかし、そこで盛り込まれているメッセージは大人が見ていても大変興味深いものがある。そろそろ最終回に近づいてくると、毎回目頭が熱くなるようなシーンがある。
親子の絆、友達の絆。
それだけではない。ストーリーも単なる勧善懲悪ではない。悪役も、もともと悪玉だったわけではなく、間違ってそうなってしまったのだという設定だ。だから、最後は本来の善なる姿に戻って消えていく。
本当の強さとは何か。
本当の美しさとは何か。
世界を救いたいと思っていたのに、その限界を感じて苦悩するうちに、世界を破滅する方向に道を間違えたのではないか。
娘とそれとたたかうためだけに作られた娘とのたたかい。(兄弟・姉妹げんかもこれに似たものだろう。)
前回、特に記憶に残っている台詞は、父を殺されたムーンライトに対してプリキュアがいう台詞「怒りと憎しみのためにたたかってはいけない。怒りと憎しみは誰かが心の中でかみしめて耐えるもの。」
アメリカ911事件を思うと、まさにその通りなんだろうと思う。いうは易く行うjはなんと難しいことだろう。
投稿者:ゆかわat 23 :47
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秋の足音
連日35度を超える猛暑が続いているが、そこはかとなく秋の訪れを感じる。
朝、けたたましいクマゼミの大合唱の間を流れてくる涼やかな風。
夜、部屋に流れてくるちょっと肌寒い風。
そして、空に浮かぶすじ雲。
投稿者:ゆかわat 22 :25
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明けましておめでとうございます
大晦日は、紅白歌合戦が終わる頃に窓を開けると、京都の街中から、そこここに、大きく、あるいは小さく、除夜の鐘の音が響き渡る。日付が変わるとき、若者の歓声がそれに付け加わる。
昨年は、大晦日まで打ち合わせをこなし、何とか年内に仕事を納めるように書面起案に勤しんだが、結局終わらず、年明けを迎えた。
本年も宜しくお願いします。
投稿者:ゆかわat 08 :23
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ひぐらし
昨夜は特に暑かった。寝苦しくって朝5時前に目が覚めて眠れなくなった。ぼーと夜明けを迎えると、朝5時、小鳥のさえずりが様々に聞こえ始めた。まるで山の中にいるようにいろんな小鳥の鳴き声が聞こえる。それに混じって、ひぐらしの「かなかなかな」という鳴き声が聞こえる。えっ?と思って、耳をそばだてると、確かに弱い鳴き声だが、「かなかなかな」と鳴くのが聞こえる。へえ?妻も、その前日の明け方、もしかしてひぐらしの鳴き声を聞いたかもと言っていたが、本当にいたんだ。こんな町中の、こんな暑い京都市内に。
そうしたら、今日、避暑がてら、現地検証もかねて小浜に行ったら、夜、南川のアヤハディオの近くの薬のアオキで、ひぐらしが群がって鳴いていた。薄緑の細身に透き通った羽。はじめて実物のひぐらしを見た。いつも少し薄暗い山道を車で通ったときに聞くだけだったが、思っていたとおりのひぐらしの姿に感動した。
投稿者:ゆかわat 23 :51
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ヘラクレスオオカブト脱走
息子が学校友達からヘラクレスオオカブトのメスをもらった。名前通りに大きい。我が家の日本カブトの3倍はありそうだ。
初日は大人しく土の中から出てこなかった。
2日目は蓋の内側に張った虫除けシートを破って虫除けシートと蓋の間で動いていた。
3日目は、ふと気になって朝虫かごを見たら、蓋が開いている。あらら、脱走した。以前、アトラスオオカブトの幼虫が羽化したときは、同じように虫かごから脱走して、マンション廊下を渡り歩いてエレベーターの前で誰かに踏まれて死んでいた。もしかして今回も、と思ってマンションの廊下を探した。廊下には見る限り見つからないので、非常階段を見たら、踊り場でひっくり返って足をばたばたさせていた。
5日目の夜、虫かごをパトロールしたら、また蓋を開けて、その横にあるエアコン室外機を登っていた。大きいからパワーがあるので簡単に脱走できるようだ。でも、大きすぎて飛べないようだ。羽をばたばたさせるが、そのまま落ちているから、まあ、脱走しても遠くまでは逃げられないようだ。
投稿者:ゆかわat 23 :22
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カブトムシ
オス4匹とメス1匹の組み合わせはなかなか大変なようだ。オス同士が喧嘩するので2箱に分けたが、どうしてもオス同士は喧嘩する。角の突っつき合いでそれは激しい。えさの取り合い然り、メスの取り合い然り。同じ親の子供だから交尾はしないのかと思っていたが、どうやらそうではないようだ。
今夜は、大きいオスの1匹はエサに夢中で、もう1匹は蓋にぶら下がっているのを後目に、小さいオスがメスと交尾をしようと懸命にメスの背中に乗っかるが、どうしてもメスの方が大きいためにオスは振り落とされる。メスを追いかけているうちに、エサを食べているオスのところにやってくると、食事中のオスが怒って小さいオスを追い払う。メスは食事中のオスのところに何度も行くが、彼は食事中でメスには目もくれない。何やら3角(さんかく)関係ならぬ、3角(さんつの)関係だ。いずこも大変なようだ。
投稿者:ゆかわat 01 :17
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月夜の宴会
昨夜は、11時頃になると、南の空に満月がきれいにかかり、煌々と夜空を照らした。我が家のカブトムシたちも、月夜に興奮して、バタバタと羽音をふるわして賑やかだ。最後の1匹も成虫に羽化して、月夜に向かって羽ばたいていた。さっきまで横になって、羽化してまだ数日なのにもう死んじゃったのかなと思わせていたオス達も、一斉にガソゴソと動き始めた。
もう我が家に来て4年目になるオオクワガタも、あっち行ったりこっち来たりと忙しい。いつも朽木の下で寝ているオオクワガタのメスも、この夜ばかりは、ちょこまかと動き回っている。
その宴会も明け方には終わり、皆、土の下にもぐって眠ってしまった。虫箱の中は、食べ散らかしたゼリーの空きカップと倒れて横になってしまった朽木だけになっていた。
投稿者:ゆかわat 06 :08
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草薙君逮捕
SMAPの草薙君が公然わいせつで逮捕された。しかし、報道を聞くと、泥酔状態で深夜の公園で全裸で絶叫していたというし、本人もどうやって公園に来たのか、なぜ裸になったのか覚えていないというのだから、これは責任能力無しで、およそ逮捕の対象ではないだろう。保護の対象だろう。
しかも、公然わいせつで、なぜ家宅捜索をするのか。合理的関連性もないだろう。
それに、深夜の公園で全裸になっていて、どうして「公然」わいせつなのか。不特定多数の誰が見ていたというのか。一体どういう法益を害したことになるのだろう。
警察はおごってないか。やりすぎではないか。
それに、今TVを見ていたら、送検されるという。えっ?こんなので勾留つくの?これで勾留つけたら、まさに「見せしめ」じゃないの?
投稿者:ゆかわat 07 :56
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花粉症
ここ数日来ぐずついた天気が続いたが、久しぶりに暖かな晴れた1日となった。まわりにあまり花粉症のマスクをしている人もいないので、つい気がゆるんで、マスクをつけずに御所の中を梅林や桃林を散策した。帰ってきたら、鼻がぐずぐずいい始めた。ありゃりゃ、花粉症を発症してしまった。
もう2週間も前になるだろうか、朽木の鯖街道を通って来られた人が、杉の花粉がまるで葡萄の実のように黄色く垂れ下がり、車のボンネットは黄砂ならぬ杉花粉で黄色くなっていたと聞いたときは用心していたのだが、その後一度冷え込んで、雪も降り、今週は北陸道から見る杉木立も花粉が洗い流されたように、杉の穂の黄色いのが治まっていたからてっきりもう大丈夫かと思っていたら、何のことはなかった。
今年は花粉が多いというから、つらい春になりそうだ。
投稿者:ゆかわat 23 :09
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松本出張
今日は、民事事件の相続人の所在調査に長野県松本市まで出張した。
学生時代、北ア登山で上高地には何度か来たはずだが、全く松本の記憶はない。「初めて」の松本市は、真冬のはずなのに天気は良く、穏やかだ。東方になだらかな山が間近に見える。やはり、真冬なのに冠雪はない。市役所に立ち寄る。松本城も洒落ている。
戸籍関係は郵便で取り寄せればよいのだが、どうもよく分からないところがあったので、戸籍関係の調査をするためにやってきた。まあ、ここまでは良かったのだが、渉外戸籍関係は皆目素人だということを痛感した。本籍が分かれば、附票をとれば、住所は分かる。相手方本人はお亡くなりになっているようなので、相続人である妻の住所を知りたい。ところが、附票を取り寄せようとしたが、除籍では附票はない。そこで、わざわざ現地まで来たのだが、考えてみれば、妻が外国籍の方だったので、附票では出てこない。除籍かどうかは関係なかった。
そこで、外国人登録事項を知ろうとしたのだが、別の職務上請求書がいることを窓口の職員から教わった。まあ、それでも昔のように弁護士法23条照会を使う必要がないだけましか。しかし、情けないことだ!京都に帰って改めて請求するしかないことになった。
しかし、これでのこのこと引き上げては、はるばる松本まで来た甲斐がない。そこで、住所地をパソコンの地図ソフトを使って検索して、レンタカーを借りて、亡き相手方がお住まいだったところを何とか探しあてた。しかし、表札はない。ご近所の方がいらっしゃったので、その方に聞いてみると、もう1年以上前に本国に帰られたという。ふう。大変だ。まあ、少しは成果はあったか。
投稿者:ゆかわat 20 :16
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明けましておめでとうございます
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
大晦日の夜、紅白が終わるころから、京の町中にはいくつものお寺から除夜の鐘が鳴り響き、どこからか分からないがカウントダウンの声とともに新年を迎える。いつもは日付が変わると同時に消える京都タワーの灯りも、このときばかりは元旦の空が明るくなるまで灯っている。ここ何年かは7時頃になると東山から朝日がさすのだが、今年ばかりは、不景気を象徴するように、朝日は見れない。北山にはどんよりと雲がかかり、愛宕山は全体に白く雪化粧している。元旦とは元日の朝の最初の太陽の光の意味だそうだ(wikipedia)だが、暗く曇った元旦となった今年は、元旦も訪れずといったところだろうか。
去年の一番うれしかったことは、離婚事件だったろうか、調停手続を経ることなく交渉で事件が数ヶ月で解決し、その依頼者が日が経つにつれて顔色がよくなり、雰囲気も明るく落ち着き、最後に何度も喜んでもらえたこと。ご本人のみならず、ご家族からも、紹介者からもお礼の言葉をいただいた。今年も、一つ一つの事件を大切にしていきたい。
去年までは裁判官になることも考えていたため、受任事件も絞り、弁護士一人の家内制手工業の事務所経営をしてきたが、今年からは事務所体制を充実させていこうと思う。齢のせいか、六法や名刺を見ようとすると老眼鏡がないと見えず、手指もしびれ、膝・股関節は痛み、短期記憶も衰えてきて、以前にもまして人の名前が思い出せないことが多くなってきたから、わが事務所も弁護士を増員しようと思う。
平成18年から京都産業大学ロースクールで公法実務演習(行政法)を秋学期1コマ担当してきたが、今年からもう少しロースクールの活動を増やしていこうと思う。国や自治体のレベルで法治行政・法の支配を進展させていくために重要なことだ。
投稿者:ゆかわat 08 :03
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雇用対策〜現代版ピラミッド事業
26日の日経に「自治体、苦肉の雇用対策」という見出しで、急激な雇用情勢の悪化を背景に自治体が独自の雇用対策を打ち出しており、自治体が臨時職員を雇用するケースが多いとあった。しかし、臨時職員を100人、200人と雇用すると言っても、何の事務に従事してもらうのか。そもそも雇用悪化で苦しんでいるのは100人単位ではないから、その枠に入れた人はいいが、それ以外の圧倒的多数の人に対しては何の効果もない。
それよりも、現代版ピラミッド事業を考えるべきではないか。ピラミッドは、王が奴隷を強制労働させて完成させたものではない。多くの人民がそれぞれの能力を発揮して労働に従事し、その対価を得て完成させたものだ。現代でもそういうことができるのではないか。雇用対策といって失業保険金を給付するのであれば、金銭を贈与するだけだから、何も生み出さない。雇用対策で企業に給料の補助をしても、補助を目当てにして雇用するというのも本末転倒で、それで雇用が促進されるとも思えない。
たとえば、雇用対策の予算や臨時職員の給与を使って、杉花粉症対策をするのはどうか。つまり、林業従事者や林野職員を先頭に、多くの人を雇って、林野事業を行い、杉や山の手入れをする。そして、それが完了した地域に「名称」を付与する。林業と市民との交流にもなるだろうし、自然環境保全にも役立つだろうし、メタボ対策にもなるだろうし、杉花粉症対策にもなるだろう。そうすれば、春の杉花粉症の治療費削減、健康保険財政の健全化にも資する。もっとも、現在の雇用事情を反映して、賃金は安いところで我慢してもらい、薄く、広く雇用する。定額給付金を支給するよりも、よほど効果がある。
あるいは、公立学校の臨時職員として雇用し、教師の補助・補完をしてもらい、これまでの職業経験・人生経験皆を生徒に伝え、指導してもらう。まさしく地域で作り上げる学校だ。今はやりのモンスター・ペアレントもなくなるだろう。
それとも、手作りで現代の「ピラミッド」を建築することもあって良いのではないか。
投稿者:ゆかわat 10 :50
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官僚との死闘700日
最近、長谷川幸洋著「官僚との死闘700日」(講談社)を読んだ。
へえーと思うことばかりで大変面白かった。政治家と官僚との関係、官房長官と副官房長官の関係、マスメディアの記事の作られた方、官僚がいかに政治家やマスコミを利用し、いかに官僚の望む方向にこれを誘導し、いかに官僚の望まぬ方向に進むのを妨害するのか、等々。また、これまで安倍政権はとても中途半端な政権だと思っていたが、公務員制度改革=官僚内閣制を打破しようとして、これに反対する官僚機構とそれと結びついた政治家から徹底して妨害とサボタージュを受けて舵取りができなくなって沈没していったという評価もあるのかと思った。
司法制度改革や行政訴訟・行政不服審査制度の見直しは、こういう視点で見ると、どういう力関係の中で進められていったのだろうと思うと、大変興味深い。行政事件訴訟法が平成16年に改正され、いま行政不服審査法が改正されようとしているが、これは官僚支配体制への裁判所の介入の余地を広げ、行政過程手続に足かせをかぶせるものであり、官僚支配体制にくさびを打ち込むものであるから、よくここまで踏み込めたなと思う一方で、所詮、官僚支配体制の一翼を担う裁判所への信頼と自制機構の整備にとどまるということなのかと納得してしまう。確かに行政訴訟の実態を見ると、法改正のメッキも剥がれ、裁判所が行政のあり方にメスをふるうということもさほどない。しかし、裁判所が国の行政に対して遠慮するのはまだ理解できなくもないが、明らかに違法・不当なことをしている県、さらには市町の行政に対してまで遠慮するというのは全く理解できない。
投稿者:ゆかわat 08 :37
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京都産業大学ロースクール平成20年度秋
昨年に引き続き、京都産大法科大学院の公法実務演習の授業を今日から始めた。但し、私のやっていた内容は行政訴訟実務だったが、基本科目で教えるべき内容であって展開科目には該当しないとのことで、単位なしのコマになってしまった。
それはともかくとして、初日は、9月10日に言い渡されたばかりの土地区画整理事業計画の処分性を認めた最高裁大法廷判決を取り上げて演習を行うことにした。
改めて浜松市の施行している上島駅周辺土地区画整理事業を見てみると、確かに公共事業整備のための区画整理であって、住民の立場からすれば、宅地の利用の増進にはほど遠い内容だ。仮換地指定を受けてから争ったとしても、仮換地の違法性はもっぱら事業計画自体が違法だと言うことに尽きそうだ。それなら事業計画の取消訴訟を認めてしかるべきだ。しかし、これは、最高裁昭和41年判決(俗に青写真判決)で否定されている。それをひっくり返したのが、9月10日の大法廷判決だ。
青写真判決の枠組み(@権利変動内容が具体的でない青写真、A付随的効果、B紛争の成熟性)を、権利の実効的救済の見地から、20年判決はどう緩和したのか。多数意見が権利の実効的救済と言いながら、権利侵害の見地ではなく、あくまでも法的地位への影響を重視したのはなぜなのか。取消訴訟の性格・機能をどう見るかの違いがそこにあるのではないか。事業計画の処分性が肯定されると、出訴期間の制限が発生したり、後に仮換地指定処分を争うときに事業計画の違法性は主張できなくなるのか。
土地区画整理法の区画整理事業の流れを追いながら、これらを検証した。
初回は、20名以上の出席があったが、今後増えるのかな、それとも減るのかな。これから毎週14回の演習の中で、行政訴訟実務を理解し、司法試験合格の実力がついていくことを祈りたい。
投稿者:ゆかわat 23 :31
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富良野の森
先日、お盆過ぎに仕事を兼ねて北海道に行った。いつも中富良野にある富良野風景画館に立ち寄るのが恒例になっている。
私と妻は絵の中に風が流れているのが気に入っている。子供はカブトムシやクワガタムシをとるのが気に入っている。もうお盆過ぎだし、まだ日が出ているからクワガタはいないと思っていたが、子供と先生とで千望峠に行って、カブトムシやクワガタムシを山ほどとってきた。今、そのうちのカブト5匹とクワガタ2匹が我が家にいる。お盆過ぎだけど、どうやら京都の暑い気候が気に入ったらしく、毎晩、虫かごが騒がしい。カブトの雄同士の喧嘩、雌を追いかけ回す雄のカブト、エサによったクワガタをけちらすカブト、登り木の上から羽ばたいてダイブするカブト。まあ騒がしいこと。今夜も富良野の森は大騒ぎだ。
投稿者:ゆかわat 00 :56
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残暑お見舞い申し上げます
京都でも、朝は、少しひんやりした空気に秋の気配を感じます。しかし、お昼前には前言を撤回したくなるような猛暑となり、そのまま夜に突入し、今夜もクーラーのお世話にならなければならない今日このごろです。皆様お変わりございませんか。
息子は、石集めをしたり、海で魚をとったり、はたまた塾の勉強をしたりと大忙しです。外に出れないときは、家のお風呂で水を張って、怜と水遊びに興じています。
娘は、夏ばてもせずに、ひたすら食に走っています。「崖の上のポニョ」が大のお気に入りで、少しでもその音楽を聴くや、踊り始める、「おなかの丸い元気な女の子」です。一度ポニョの衣装を着せてみようと思っています。
私は、相変わらず、出張続きです。最近は、富みに富山通いが続いています。でも、おかげで美味しいものとの出会いが多くうれしい限りです。
皆様も、酷暑に負けないでお過ごし下さい。
投稿者:ゆかわat 00 :38
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日中首脳会談と環境問題
気候変動問題や温暖化対策については協議されたようだが、黄砂問題・黄砂対策は協議された形跡がない。
ここ数年来、春に雨が降ると、車が真っ白になった。
去年は夏になっても、晴れた日も、市内が白く煙ることが多くなった。
今年は、花粉と重なって、アレルギー症状がひどく出た人が多い。私も変な乾いた咳が続いた。空は春霞なんてしゃれたものではなく、もう晴れた日でも青空を見ることはない。
黄砂対策こそ、日本にとって重大な環境問題ではないか。
しかし、温暖化対策は日中相互の産業活動の調整や環境産業の育成・牽制につながるから真剣に協議されるが、黄砂対策は金を使うだけで産業活動のあり方に影響しないから真剣に協議されないようだ。
黄砂被害は本来、国家的に損失補償(国に責任がない場合)ないし損害賠償(国に責任がある場合)請求されるべき問題ではないのだろうか。
投稿者:ゆかわat 23 :31
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行政はマニュアル捨てよ
日経新聞4月21日の「インタビュー領空侵犯」に作家藤原智美氏のインタビュー記事「店員はマニュアル捨てよ」が載っていた。
氏は接客産業のマニュアル化に疑問を感じているという。マニュアルが導入された店はどこも対応が丁寧だが、丁寧なだけで店員と客との個別的な人間的なかかわりが失われ、心に響かないという。
そして、「怖いのはマニュアル化した言葉のやり取りがサービス産業を越えて一般の人間関係にも広がっていること。(略)若者はお互いに衝突を避け、相手の人間的な深い部分には決して切り込まない。その場の空気を読み、そこに自分を当てはめるという作業ばかりしています。」という。氏の言うとおり、マニュアルは人間関係のあつれき・ぎくしゃくを避ける潤滑油にはなるが、それ以上の人間関係を作る道具にはならない。
また、聞き手からの一言。「名店といわれる料理店を作るのは客だという。客の肥えた舌や様々な要求が店を進化させるからだ。(略)店と客との対話がないところに進歩も発展もない。」
同じことは行政にも言えるだろう。いや、行政は住民を「客」としてとらえないし、住民に対して丁寧な対応すらしないからそれ以下か。
投稿者:ゆかわat 23 :58
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