犬の繁殖業者 化製場法違反で逮捕
3月4日日経夕刊に「犬の繁殖業者逮捕 無許可で飼育の疑い 兵庫県警」との記事が載っていた。逮捕容疑は尼崎市長の許可を受けないで犬舎で犬360匹を飼育し、うち生後91日以上の犬6匹について狂犬病の予防注射を怠るなどした疑いで、化製場法違反と狂犬病予防法違反だという。
狂犬病予防法違反は分かるが、「化製場法」というのは聞き慣れない法律だという人も多いだろう。「化製場」とは、獣畜の肉、皮、骨、臓器等を原料として皮革、油脂、にかわ、肥料、飼料その他の物を製造するために設けられた施設で、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。)の許可を受けないと違法となる。逮捕されたのは「犬の繁殖業者」とあるから、まさか犬の肉等で皮革等を製造していたとは思われないから、化製場の無許可営業ではなく、「死亡獣畜取扱場」の無許可営業が問われたのだろうか。「死亡獣畜取扱場」とは、死亡獣畜を解体し、埋却し、又は焼却するために設けられた施設又は区域で、都道府県知事の許可を要する。しかし、「化製場」にしても「死亡獣畜取扱場」にしても、対象となるのは「獣畜」であるところ、「獣畜」とは、牛、馬、豚、めん羊及び山羊をいうから、「犬の繁殖業者」がその施設や区域内で「犬」の死体を埋却していたとしても、化製場法違反とはならない。
と思って条文を見ていたら、9条に「都道府県の条例で定める基準に従い都道府県知事が指定する区域内において、政令で定める種類の動物を、その飼養又は収容のための施設で、当該動物の種類ごとに都道府県の条例で定める数以上に飼養し、又は収容しようとする者は、当該動物の種類ごとに、その施設の所在地の都道府県知事の許可を受けなければならない。 」とあり、これに違反したものには1年以下の懲役又は3万円以下の罰金が法定されている。化製場法施行令では犬も指定されている。なるほど。
しかし、「第一条 この法律で「獣畜」とは、牛、馬、豚、めん羊及び山羊をいう。 」という条文から始まっている化製場法で犬の飼育業者を規制するというのは、違和感を感じるのは私だけだろうか。
投稿者:ゆかわat 22 :36| ビジネス | コメント(0 )