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2010 年04 月29 日

検察審査会議決の疑問〜小沢起訴相当

220424atago 

 27日、東京第5検察審査会は、民主党小沢幹事長につき政治資金規正法違反で起訴相当の議決をした。
 議決の理由は、小沢氏供述は不自然不合理で信用できない、土地代金支払い直後に銀行融資を受けたのは偽装工作だ、絶大な指揮命令権限を有するから共謀が認定できる、政治とカネにまつわる政治不信が高まっている中市民目線からは許されない、というものだ。

 この検察審査会の議決には疑問が二つある。
 第一は、これは東京地検特捜部が小沢捜査を無理押しした理屈そのものではないか。

 検察議決の出発点は、2004年10月に代金を支払って土地を取得したということにある。だから、05年1月に取得したと政治資金規正報告書に記載するのは虚偽記入だということになる。
 しかし、ここのところがよくわからない。10月に代金3億40000万円を支払っていれば、その原資4億円を定期預金することもできない。だから、真実は、04年10月に売買契約をしたが、決済日は05年1月とされた。小沢氏は契約日に4億円を所持していたが、当日決済する必要がないので、定期貯金にした。そして、05年1月に代金決済をし、その日に所有権移転登記もした。これが事実ではないのか。もしそうであれば、検察審査会の議決の根拠そのものが疑われる。そればかりか、このような「事実誤認」はまさに東京地検特捜部が意図的に行った「事実のでっち上げ」の構図に他ならない。
 東京地検特捜部は、小沢落としができなかったが、検察審査会を利用して、小沢落としのリベンジを図ろうとしているのではないか。検察審査会の議決により、小沢再捜査のお墨付きが得られたのだ。

 第二は、検察審査会が2度目の起訴相当議決をすれば、強制起訴となる。しかし、これは東京地検特捜部の狙いそのものだ。東京地検特捜部としては、有罪に持ち込めればそれに越したことはないが、起訴できればそれで目的は達することができる。しかも、無罪になったところで、それは公判を担当する検察官役の弁護士の「無能」によるものだ。検察の腹は全く痛まない。 

 こうやって考えると、検察審査会の強制起訴権限は見直した方がよいところもあるのではないか。起訴するかどうかに民意を反映するのは、よいことだ。しかし、「こいつはけしからん」という民意だけで、人を刑事被告人の地位に置くことができる。無罪と宣告された場合にその人の受ける不利益を考えると、少なくとも、その場合の補償措置には十全を期す必要があるだろう。

投稿者:ゆかわat 08 :59| ビジネス | コメント(0 )

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