2010 年05 月09 日
法社会学会(1)
5月8日(土)9日(日)と京都・同志社大学で開催された法社会学会に出席してきた。8日は、「地域司法と裁判員裁判」のミニシンポジウムに参加した。
安原元裁判官・弁護士の報告もなかなか衝撃的だったが、青森で裁判員裁判に裁判員として参加した渋谷さんの報告が、やはり特筆すべき内容であった。
事件のことについて語られるとき、2度涙ぐまれて言葉につまられた。
一度は、青森の満開の桜を見に行かれたとき、はたして被害者はこの満開の桜を見て感激されることがあるだろうかと語られたとき。被害者の痛みを改めて思い出されたからだろう。
二度目は、被告人に対する判決言渡しをしたときのこと。検察官の求刑通り15年の判決言渡しをするときに、裁判員から裁判長に自分たちの思い、すなわち、「あきらめた15年ではない。更生することに期待をかけた15年だ」という裁判員の思いを説示に加えてくれるように求めたときのことを語られたときだ。
私も目頭が熱くなる思いを禁じられなかった。
裁判員裁判は、国民に、被害者の痛みと被告人の罪の重みをトレースし、さらに被告人の人生を決めることの痛みを求めることだ。裁判員裁判は、TVや新聞の中の出来事にしかすぎなかった犯罪を、現実の問題として受け止め、かつ、犯罪に対する処方箋を作る経験を国民に与えるものだ。これから10年のスパンで見たとき、日本社会は確かに変わっていくことだろう。
投稿者:ゆかわat 14 :22| ビジネス | コメント(0 )