2010 年07 月16 日
日弁連行政訴訟センター〜福岡MKタクシー訴訟
仮の認可の義務付けを勝ち取った弁護士の報告を聞いた。
タクシー運賃の不認可について争って、仮の認可の義務づけを得たという画期的な事件だ。
何が画期的かといえば、民事の保全処分は認められて普通のところもあるが、行政事件の仮の救済はほとんど認められない。平成16年の行訴法改正ではじめて創設されたのが仮の義務づけの申立という、民事でいうと仮の地位を定める仮処分なのだが、これまで認められたのは、保育園や幼稚園や中学校や特別支援学校の入学をめぐる数件の事件だけで、営業に関する事件では認められたことがない。「償うことのできない損害を避けるために緊急の必要性があること」という要件が最大のネックになっている。従前どおり初乗り500円の仮の認可が認められなければ会社が倒産してしまうというのが仮の認可を認めた理由だが、これまでなら、初乗り500円を570円に値上げすれば認可も認められるのに値上げしなかったリスクを負うのは当然でしょう、そんなものは財産上の利益で、事後的に損害賠償で回復できる損害だと言われて却下されたと思われる事件だ。
結局、裁判所がこれは救済してやろうと思うか思わないかの違い、あるいは裁判所にそう思わせられるかどうかという弁護士の腕の問題か。
しかし、それは「制度」としての行政裁判とは言えないだろう。
帰ってきたら、京の町中、三条通りを祇園囃子の音がこだましている。今日は宵山。
投稿者:ゆかわat 23 :10| ビジネス | コメント(0 )