2011 年03 月30 日
被災自動車の処理
29日の日経朝刊の記事から。「倒壊家屋・家電・自動車 がれき再資源化に壁」と題して、その中に「被災した自動車の処理にはリサイクル時に必要な「廃車認定」が壁になる。財産権などの問題があり、放置されているだけでは廃車とみなせないからだ。自治体による所有者の意思確認などの作業が発生する。DOWAホールディングスは家電リサイクル拠点、使用済み自動車の解体・リサイクル拠点も保有している。震災による設備への影響はなく、法的な問題がクリアできれば、積極的に処理に協力する構えだ。」とある。しかし、この記事は不正確であるばかりか、使用済み自動車の処理に誤解・混乱を招く。
自動車リサイクル法(正式名称は使用済自動車の再資源化等に関する法律」)は、「使用済み自動車」とは、使用を終了した自動車(法2条2項)と定義しており、使用済みかどうかにつき自治体の廃車認定を必要とするとは定めていない。
各自治体が制定している放置自動車対策条例には、確かに「廃車認定」という手続があるが、それは、廃掃法や自動車リサイクル法の系列とは別の自主条例として定められたものであり、自動車リサイクル法とは関係がない。
被災してがれきとなった自動車は、明らかに「使用を終了した自動車」であるから、廃車認定も必要ないし、所有者を確認してその意志を確認する必要もない。そのまま廃掃法のルートに乗せて処分することもできれば、自動車リサイクル法のルートに乗せて再資源化することもできる。もっとも、リサイクル料金(再資源化預託金)が預託されていない自動車の場合、リサイクル料金の預託を所有者に求めなければならないが、預託されていないからといって再資源化できないわけではない。
投稿者:ゆかわat 07 :20| ビジネス | コメント(0 )