2011 年05 月25 日
ハイリスクな行政訴訟
一般に、裁判は合理的予測の立ちにくいリスキーな勝負ごとのようなもので、損得抜きで、意地あるいは義憤から闘い抜くことに意味があるとでも思わない限り、早々踏み切れるものではない。そのような裁判のなかで、飛び抜けてハイリスクなのが、他ならぬ行政訴訟である。
これは学習院大学教授・櫻井敬子先生(司法試験の行政法の教科書として一番多く使われている櫻井・橋本「行政法」の著者)の行政法講座53講(自治実務セミナー2011年4月号)の冒頭の文章である。別に私の私感ではない。
しかし、まさにそう思う。土地区画整理法に基づく仮換地指定処分を争った事件で、今日、さいたま地裁で敗訴判決を受けた。当方の主張は全部排斥された。事業計画変更手続によらない設計変更がなされていても後に事業計画変更がなされているから問題はない、事業計画が都市計画に適合していなくても後に都市計画が変更されたから問題はない、減歩率が高くてもそれだけでは違法とはいえない、位置が照応しなくてもそもそも原地換地は無理なのだからそれだけでは違法ではない、等々。審理の途中では、明らかに裁判所も原告の主張に理解を示していたし、区画整理主体はまともな反論はできていなかったのに、判決になると、けんもほろろに当方の主張は全部排斥された。区画整理はやり放題。これなら仮換地指定処分に対しては不服申立てはできないとか、裁判所は関知しない(換地しない?)とか明文で書いてくれた方がましだ。法治主義ならぬ放置主義は、社会秩序を破壊するものである。
投稿者:ゆかわat 16 :33| ビジネス | コメント(0 )