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2011 年06 月01 日

福島原発事故IAEA報告

IAEAの調査報告書案は、津波の危険性を過小評価していた、原子力の規制当局は独立性と透明性が保たれるべき等を指摘している。

ところで、規制機関が独立性と透明性が保たれれば足りるのか。福島原発については、第二原発について原子炉設置許可処分取消訴訟が提起されていたが、政府からの独立が保障されている(とされる)裁判所ですら津波の危険性を過小評価していたのだ。

たとえば、福島第二原発訴訟の福島地裁昭和59年7月23日判決では、「小名浜港における潮位記録により既往最高潮位とされているチリ地震津波の三・一メートル(小名浜工事基準面プラス三・一メートル)をはるかに上回る潮位一二メートルと設計されること及び福島第一原子力発電所観測結果による最大波高は一九六五年(昭和四〇年)の台風二八号の際の約八メートルであるが、本件原子炉敷地前面に防波堤が構築されるので高波浪の影響は防止されることとなつていること(略)によれば、右(略)の判断には合理性が認められる」から「本件安全審査において、本件原子炉施設は、その基本設計ないし基本的設計方針において、自然的立地条件に係る安全性を確保し得るもの、すなわち、自然的立地条件との関連において、原子炉等による災害の防止上支障がないものとして設置されるものであるとされた判断には、合理性があると認められる。」として行政の判断を追認していた。

 住民は原発設置当時から地震や津波の危険性を指摘していたのに、その声に耳を傾けなか
ったのは、国民の権利を擁護する最後の砦である裁判所なのだ。問われるべきは、規制当局の独立性よりも裁判所の独立性だ。

 福島原発事故を踏まえたら、原子炉設置許可処分には重大な瑕疵があることは明白だから、無効確認訴訟がされ直されるべきだろう。

投稿者:ゆかわat 20 :39| ビジネス | コメント(0 )

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