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2011 年06 月03 日

放射性物質で汚泥処理苦慮

5月30日の日経夕刊に「東日本の下水処理施設で発生した汚泥や焼却灰を搬出できない自治体が続出している。福島第一原発の事故で放出されたとみられる放射性物質を含む汚泥の全国的な取扱い基準が不明確で、処理業者に引き渡せないためだ。(略)放射性物質を含む汚泥の取扱いに関する国の基準はこれまでなかったが、政府は・・・濃度が1キログラム当たり10万ベクレルを越える汚泥については可能な限り焼却するなどし、焼却灰を容器に入れて保管すべきだとした。規制値以下に濃度が薄まればセメントへの再利用が可能だ。」とある。

 しかし、廃掃法2条は、「廃棄物」には放射性物質及びこれによって汚染された物は含まれないとしているから、放射性物質に「汚染された」物は「廃棄物」ではないので、これをどう処分するか、あるいはしてはならないかは、廃掃法は関知しない。

 放射性廃棄物の廃棄については、原子炉規制法が規制しているが、そこで規制されているのは使用済み核燃料等の放射性廃棄物の最終処分や最終処分をする前の管理であって、原発事故に起因して発生して放射性廃棄物はそもそも念頭に置いていないから、やはり規制の対象となっていないように見える。

 したがって、放射性物質を含む汚泥は、取扱い基準がないから処理できないのではなく、自治体の判断でしかるべき処理をすべきなのである。国の取扱い基準がないから処理できないというのでは、機関委任事務時代の、考える頭のない自治体に逆戻りである。
 もっともそれは好き勝手に処理すればよいのではなく、自治体独自に大学等研究機関の助言を得ながら最善の処理をするということである。

投稿者:ゆかわat 23 :12| ビジネス | コメント(0 )

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