ごみ屋敷問題・不用品回収業者問題
自治体合同法務研究会2日目。
今朝は、ごみ屋敷や不用品回収業者に関する分科会2つに出た。
やっぱりよく分からない。廃棄物とは何なのだろう?
廃掃法は廃棄物について「廃棄物とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物・・・」と定義している。「不要物」とは自分にとっての不要物かとも思われるが、法の列挙事由から判断すると、全くの使い物にならない不要物を指すようだ。前者であれば、一度聞いてもういらないやと思ったCDなんかも「不要物」に入りそうだが、後者であれば「不要物」には入らない。そうすると、結局は、有償で譲渡できるかどうかが「不要物」かどうかの判断基準になりそうだ。しかし、古タイヤのように、ガソリンスタンドでタイヤ交換をしたらごみとして処理費用をとられるが、古タイヤ専門の引取業者に持っていけば有償で引き取ってくれるようなものはどうなるのだろう。しかし、そもそも、この古タイヤのように、誰に渡すかによって不要物になるかどうかが変わるというのはおかしくはないか。
また、震災廃棄物のときに問題になったように、誰が見てもごみにしか見えないがれきであっても、所有者がこれは大事な形見だと言われれば、有償で譲渡できなくても、不要物にはあたらない(私個人的には、これは不要物であって、廃掃法に基づく処分をしても廃掃法上は適法だが、所有者の承諾を得ていないから不法行為に当たると思うのだが、法制度として矛盾しているようにも思う。)。
そうすると、現行法の「廃棄物」の定義では迅速で有効な廃棄物処理ができないのだから、廃棄物の定義に「みなし廃棄物」(市町村長の認定により廃棄物とみなされる)の規定を置くことが必要ではないか。
ごみ屋敷問題の対処法として、今日の報告は、環境マターではなく、福祉マターとしてとらえた報告がなされた。なるほど。ごみ屋敷問題の発生原因を探ると、高齢者福祉・セルフネグレクトの問題に行き当たる。周辺住民からの苦情からのみ問題をとらえて、公権力を行使してごみを撤去したとしても、その原因の手当をしなければ再びごみ屋敷が発生するだけだ。目から鱗の報告だった。
ところで、私も今までごみ屋敷については廃掃法19条の7で措置命令をうつことなく、直接施行できるのではないかと思っていたが、確かに法19条の7は法19条の4の場合とあり、同条は一般廃棄物処理業者がごみの違法保管・処分をした場合を念頭に置いているから、排出個人自体が一般廃棄物処理業者を通すことなくごみ屋敷をつくった場合は想定していない。そうすると、廃掃法では対処のしようがない。
これに対処するためには、条例を制定して、適正にごみを処理せず、生活環境の保全に支障を生じさせた場合は、市町村長はその者に命じてごみを適正に処理させ、又は必要があるときは、自ら又は第三者に委託してごみを適正に処理することができる旨の措置命令・直接施行(即時強制)の条文を置いて対処するしかないのだろう。
投稿者:ゆかわat 21 :47| ビジネス | コメント(0 )