2005 年12 月08 日
競売物件の固定資産税・不動産取得税
バブル崩壊の影響で、固定資産税評価額と物件の市場価格の乖離が激しい。特に競売での買い受け物件になると、売れない物件は何度も評価額が切り下げられていく。私の関与した案件も、固定資産税評価額は1800万円だが、競売での取得価格は130万円余りだった。競売の物件明細書には固定資産税評価額は記載されていない。買い受け人は130万円余りで買い受けた物件が、1800万円の評価を前提として不動産取得税をかけられ、固定資産税をかけられて、びっくりする。この案件では「たかが」1800万円だから税金もそんなにならないが、何十億円もするホテルなどを数億円で買い受けた場合には、税金は馬鹿にならない。固定資産税の課税標準は、基準年度(今は平成15年度。来年度がまた基準年度となる。)のそれは、1月1日現在の価格で固定資産課税台帳に登録された価格、第2年度(今の例でいくと平成16年度)のそれも原則として基準年度の登録価格、但し、損壊等特別の事情があって基準年度の登録価格によることが不適当な場合は登録価格によらずに類似物件の比準価格とされる。問題は、時価が下がっているとか、競売で買い受けたということがその「特別事情」にあたるかどうかである。従前の固定資産税実務では、それらは「特別事情」にはあたらないとされてきた。
不動産取得税の課税標準は取得時の不動産の価格とされるが、固定資産課税台帳に価格が登録されている不動産は原則としてその価格によるとされ、損壊等の「特別の事情」がある場合はこの限りでないとされる。しかし、この「特別の事情」も固定資産税と同じように解されて、結局は、実勢価格を反映しない登録価格で課税されてしまう。
それはおかしい。最近の最高裁判例も、地方税法の原則は、「価格」とは「適正な時価」を言うのだから、それをベースにすべきだという方向に変わってきている。次に判例変更されるべきは、本件のような第2年度の課税価格である。
そう主張した裁判が昨日結審した。判決は来年3月15日。さあ、どんな判決が下されるだろうか。
投稿者:ゆかわat 21 :59| ビジネス | コメント(2 )
◆この記事へのコメント:
◆コメント
おばんです。
y_okamuraです。
論理の脈略なく乱入します。
鹿児島で,強盗致傷(6年以上の懲役)に対して,何故か懲役5年という不思議な判決が宣告されました。
マロは,刑事に強い。
したがって,民事に弱い。
マロをいじめないでね。
投稿者: y_okamura : at 2005 /12 /09 22 :03
◆コメント
競売物件の固定資産税・不動産取得税
判決は来年3月15日。さあ、どんな判決が下されるだろうか。
とありましたが、判決の結果はいかがだったでしょうか?
投稿者: 平木 嘉幸 : at 2008 /02 /14 16 :14