2013 年10 月09 日
住民訴訟における議会による責任放棄議決
今日の日弁連行政訴訟センターでの会議から。住民訴訟における議会による首長の責任放棄議決に対する立法論について
せっかく住民訴訟を提起して首長の責任を判決で認めさせたのに、議会がその損害賠償請求権を放棄する事例が目立つ。最高裁が示した放棄の議決の要件は緩やかにすぎるのではないか。そのような問題意識からこの問題を検討している。
会社法の代表訴訟のように、取締役の責任額を限定する案や首長の過失が軽度の場合と重度の場合とで区別する案などがあるようだが、首長の責任だけを限定する理由はあるのか、どうして他の債権とは区別するのか、今一分からない。
自治体における首長と住民の関係を、会社と株主の関係と同視するというのは理解できない。
むしろ、住民訴訟は実質的には自治体の債権を住民が訴訟で代位行使しているのだから、そのような請求権については当該訴訟以外で処分することはできないこととして、他方、首長に対する金額限定は住民訴訟における損害額の認定(正確には首長の違法な財務会計行為と因果関係のある損害額の認定)において調整すれば足りるのではないか。これまでの住民訴訟において首長に責任を認める損害額の認定の法理が荒すぎたのではないか。
こう考えれば非常にすっきりすると思うのだがどうだろうか。
投稿者:ゆかわat 17 :14| ビジネス | コメント(0 )