2013 年12 月28 日
民主主義の構造改革
今日の日経新聞朝刊の大機小機に「 民主主義の構造改革」という記事が載っていた。雇用制度、社会保障などと並んで日本の民主主義もまた改革を迫られている。
一つは急速な高齢化によって有権者に占める高齢者の比率が上昇していることから、高齢者向けの政策が優先されるようになる。いわゆるシルバー民主主義だ。シルバー民主主義の下では年金給付を削減したり高齢者医療費の自己負担を引き上げたりすることが難しくなる。これを避けるためには民主主義の制度を変えなければならない、。例えば、年齢別選挙区(選挙区を地区割りではなく年齢別にする)、ドメイン投票(未成年の分を親が代わりに投票する)などのアイデアが出されている。
もう一つは財政赤字だ。「解決の手段が分からない」のではなく、「手段は分かっているが、それ(増税や社会保障費の削減)を政治的に実行できないのである。財政運営への政治関与は赤字バイアスを生む。これを避けるには、財政運営への第三者機関の関与を強めて、政治の影響力を小さくしていくことが必要となる。
民主主義には多くの形態がある。日本の実態に即した民主主義をつくる構造改革が待ったなし、である。
なるほど。その通りだ。
その昔、私がまだ学生の頃、樋口陽一教授の国法学の講義で、ケルゼンとシュミットの話を熱を込めて聞いた記憶がある。ドイツがナチス政権下で民主主義の名の下に独裁政治に陥っていったときにケルゼンが述べた一言「民主主義の船は一旦沈むとも、やがて浮上するだろう。」
現代日本社会でも民主主義は極めて危険な匂いがする。とりわけ日本では民主主義が単なる多数派民主主義として理解されているからだ。多数派民主主義の制限と立憲主義の再構築が必要だ(過激だろうか)。
投稿者:ゆかわat 23 :41| ビジネス | コメント(0 )