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2014 年10 月11 日

国のかたち問う地方創生を

10月10日の日経朝刊の大機小機の欄に、安倍政権の地方創生に地方分権の視点が欠けていること、地方創生を通して地方分権を実現することを問う論説が掲載された。国も地方を信用し、また地方も、議会と地元企業によるカネの分捕りから住民主体で住民の意向にアンテナを張った地方創生を期待したい。


「地方創生をめぐる安倍晋三政権の姿勢には地方分権の視点が欠けている。中央集権を維持したまま地域の活性化を目指しても、結局は中央と地方の格差を広げるだけだ。少子高齢化と深刻な財政赤字のもとで限られた資源を効率配分し日本経済を再生させるには、税財源を含む権限移譲を通じ国のかたちを変える大改革こそ求められる。

世界を見渡せば、分権国家と中央集権国家の明暗は際立ってきた。先進5か国(G5)をみても分権国家である米国、ドイツに対し、一極集中型の日英仏の低迷が目立つ。分権国家は危機からの復元力が相対的に高い。一極集中型の国家はいったん危機に見舞われれば全国に波及し、地域間格差をさらに広げる。

英国はスコットランド独立の住民投票で大揺れになったが権限移譲が進むことになった。この英国の教訓に学ぶべきだ。

安倍政権の地方創生は衰退する地域社会にあめとむちで対応しようとしている。小手先の対策ではなく、地域社会の疲弊に表れた日本経済の構造問題にメスを入れることこそ肝心である。

少子高齢化が急速に進み、国・地方の長期債務残高が膨らむなかでは、税財源を含む地方分権に取り組むしかない。何から何まで国が口出しするのではなく、国の機能を外交、防衛、通貨、金融、年金などに絞り込むことだ。一方で、基礎的自治体の集約化は避けられない。県を越えた広域連携も必要になる。

補助金や交付金といった中央集権型の地方支援ではなく、税財源など権限の移譲を受ければ、自治体は選択肢が広がる。知恵も生かせる。税制優遇で企業誘致も可能だ。福祉か公共投資か、身近なおカネほど丁寧に使うから、国・地方を通じた財政合理化につながる。

自治体も変わるしかない。どこかがゆるキャラやB級グルメで成功したと聞けば、すぐに飛びつく。残念な横並び意識だ。伝統文化は大切だが、閉鎖的では意味がない。「開かれた地域社会」こそ生き残る道である。

自治体の首長が先頭に立つべきは外資を含む企業誘致であり、中央政府詣でではない。政府が地方に派遣するなら官僚より、地域に愛着のある企業人の方がいい。異次元の地方創生と振りかざすのではなく、本筋の改革に国、地方あげて取り組むことだ。分権なしに地方創生はない。」(無垢)

投稿者:ゆかわat 17 :35| ビジネス | コメント(0 )

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