2015 年10 月20 日
辺野古埋立取消「違法」宜野湾市民、県を提訴
10月20日夕刊によると、米軍普天間基地の辺野古への移設を巡り、宜野湾市民12人が辺野古埋立承認取消しで基地が固定化し、住民の生存権を脅かすとして県と知事に取消しの無効確認と1億2000万円の損害賠償を求めて提訴したと報道されていた。国は県知事の取消処分につき行政不服審査法に基づく取消しの審査請求をしたと言うし、市民も行政事件訴訟法に基づく取消しの訴訟を提起した。
しかし、考えてみれば、行政不服審査法に基づく審査請求では、国は、当然、県知事の取消処分を取り消すだろうし、それに対して県は争うことはできないとされている。
ところが、取消し訴訟では、県知事は仮に地裁で敗訴しても、高裁に控訴することもできるし、さらに最高裁に上告手続きをとることもできる。
言ってみれば、今回の市民の提訴によって、県は辺野古問題を訴訟で正式に争うことができるチャンスが与えられた。おそらくは、辺野古移設に反対する市民は、県の側に補助参加していくことになるだろう。辺野古移設賛成派・反対派も入り混じっての訴訟となる。
通常、国の利害又は公共の福祉に重大な関係のある訴訟には、国は指定代理人をつけることが考えられるが、本件の場合は、国は県とは反対の立場で取消処分が違法であると考えているので指定代理人をつけるのではなく、国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律4条に基づいて、法廷で国の意見を述べることになるのだろうか。四つ巴の訴訟となることが予想される。
投稿者:ゆかわat 20 :33| ビジネス | コメント(0 )