2016 年01 月16 日
廃棄カツを横流ししたら廃棄物処理法違反?
カレーチェーン店「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋が廃棄した冷凍ビーフカツが横流しされ、スーパーに出回っていた問題で、愛知県警は、廃棄を請け負った産廃業者「ダイコー」(愛知県稲沢市)を廃棄物処理法違反の疑いで家宅捜索したという。ダイコーのしたことが不適切であることは疑いがないが、廃棄物処理法違反と言われるとよく分からない。というのは、廃棄物処理法は非常に難解な法律で、よく分からない法律だからだ。
まず、壱番屋の廃棄した冷凍ビーフカツが「産業廃棄物」であるのか。
事業活動から生じた廃棄物はすべて産業廃棄物にあたるとは限らない。「食料品製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物」(施行令2条4号)であれば産業廃棄物にあたるが、新聞報道によると、壱番屋は、異物混入のおそれがあったために製品であるカツを廃棄したというのだから、これは産業廃棄物ではなく、事業系の一般廃棄物にあたる。もしダイコーが産業廃棄物処理業の許可しか有していなかったのであれば、ダイコーが事業系一般廃棄物の処理の委託を受けたこと自体が無許可営業にあたるのであって、横流しをしたかどうかは問題ではない。
次に、本題の、ダイコーが廃棄物としてその処理の委託を受けたのに、契約通りに廃棄物として処理をせずに転売したことだが、それは契約違反にはなっても、廃棄物処理法違反にはあたらないのではないか。そもそも廃棄物処理法には、廃棄物を販売してはならないという定めはない。それに、ダイコーが廃棄物たるカツの廃棄物処理を第三者に委託したのであれば、それは廃棄物処理法違反(法25条1項6号)にあたるが、ダイコーは有価物・食品として第三者に転売したのだから、それは廃棄物処理を第三者に委託したことにはあたらないのではないか。
むしろ、異物が混入して人の健康を損なうおそれのある食品を販売したとして食品衛生法違反にあたるとか、廃棄物・不衛生食品であるのにそれを偽って販売したとして詐欺にあたるとかいうのであれば、まだしも、廃棄物処理法違反というのはよく分からない。
それとも、私の理解が間違っているのかしら。
投稿者:ゆかわat 21 :47| ビジネス | コメント(0 )