2019 年08 月02 日
環境法の授業
大阪学院大学法学部に移って、最初に担当した授業が3年生向けの「環境法」でした。法科大学院で環境法を教えたことはありますが、学部では、それも法学部単独の授業ではなく、他学部にも開放された授業として教えるのは初めてでしたから、大変緊張しました。
何時ものとおり、最初の授業で、私の考える環境法のエッセンスを、自分なりに学部向けに平易にして講義したつもりが、授業の最後に感想文を書かせたところ、「難しすぎて分からなかった」、「板書してくれないと分からない」のラッシュでした。法科大学院のくせをひきずって、法律の条文を中心にしてはいけないと反省して、これから社会人となっていくにあたって、必要最低限身に着けておいてほしい、法、そして環境法のものの考え方を模索しました。
重視したことは、文章力、文章で自分の考えを表現するくせを付けてもらうこと。毎回、授業の終わりには、法学部以外の学生でも考えて書いてもらえるレポート課題を出すようにしました。受講生は130名。欠席者をのぞいても、毎回100通はあったかと思いますが、自分自身も、大変負担でしたが、全部に添削したり感想をかいたり疑問点を書いたりして翌週の授業には返すようにしました。それを負担に思う学生はその後受講することはなかったようですが、毎回レポートを書いてくれる学生たちは、最後はとても長文を、それも、自分の実体験や、その場でスマホでネット検索して発見した事実も交えて書いてくれるようになりました。
最後の定期試験でも、記述式で自分で考える問題(政府のレジ袋有料化法制化方針についての賛否を問うもの)を出しましたが、試験とは思えないほどの、とても説得力のある答案が多く出されました。
そのような、毎回レポート提出を求める授業は、受講生も大変だったと思いますが、そのレポートを読ませていただくと、私自身の考え方が変わったり、深まったりすることも大変多く(たとえば、一般廃棄物と産業廃棄物の区別の基準や、レジ袋・ゴミ袋有料化の是非等々)、私自身が大変多くのものを受講生の皆さんから学ばせていただきました。受講生一人一人が、1回目の授業と比べると、定期試験の記述式回答は格段の成長が見られましたし、何よりも、受講生全体の集合知に深い感銘を受けました。毎回のレポートを整理するだけでも、よほど面白い教科書ができるぞと思わせるほどの高レベルな内容を学ばせていただきました。私が授業をして学生にものを教えたというよりは、私が学生からものの考え方を教わったと感謝するほどです。
また、授業をとおして、皆が成長できるような講義をつくっていきたいと思った次第です。
定期試験の採点を終えての感想でした。
投稿者:ゆかわat 07 :11| ビジネス | コメント(0 )